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2006/02/07 拙速な皇室典範改正は本当に必要か。

秋篠宮妃紀子さま(39)が懐妊というニュース。経過は順調で秋ごろ出産予定とか。現行の皇位継承ルールの基で男子が生まれたなら、皇統がいずれ秋篠宮の男系男子に受け継がれることが確定である。

ロボット工学のセンセイが座長で拙速にまとめた「皇室典範に関する有識者会議」が出した報告書では、「性別にかかわらず第一子が皇位継承し、女性・女系天皇を認める」となっている。これに基づいた皇室典範改正案を国会に出す出さないで、ちょうどモメ始めたばかりの政界にも大激震を与えるだろう。法案が成立するしない、どこから適用するしないで、誰が将来の天皇になるかが変わってくるのだから。

本日の報道では、小泉首相は、そんな事とは関係なく、改正案を出す意向とか。しかし、靖国という「幻想」には目を三角にして固執する小泉首相が、天皇制という「幻想」に対して何の思い入れもなく、消滅させるのに実に無頓着とは実に不思議な気がする。ま、そこが「勉強しない変人」ということなのだろう。皇室には何の思い入れもないからこそ、歴史・文化に何の興味も無い東大ロボット工学のセンセイが、歴史観など何の考慮もせず、皇室の意向も聞くことなく、お役人の案のままに作った皇室典範改正案を本国会で成立させるなどと無茶な事を言ってた訳だが。

私は別に右翼ではない。天皇など崇拝する気もない。しかし、もしも今の皇位継承ルールを存続したままでも皇室が断絶しない可能性があるのなら、日本の文化財としてそのまま残すほうで検討したほうがよいと思うだけである。なんで皇室典範を、ロボット工学のジイサマが決めた通りに改正する必要があるのだろうか。もっとちゃんと考える人間を連れてきてもらいたい。世の中全てに合理性と効率と存続の確率だけを求めるのなら、法隆寺でも清水寺でも姫路城でも、好き放題に壊して堅牢な高層ビルにしたらよろしかろう。歴史的遺物として今の天皇制を今のルールのままで残しておいて、何の不自由もないと思うがなあ。

2006/02/08 「秋篠宮、頑張ってくれ」と 

秋篠宮妃紀子さま懐妊のニュースで潮目は確実に変わった。皇室典範改正案の国会提出は微妙な雰囲気に。日経朝刊によると、与党内には「あっさり提出を断念すると有識者会議の結論はなんだったのかという話になる」と述べてる向きもあるようだが、簡単なことで「有識者会議の結論は拙速で役に立たなかった」ということなのである。

もっとも、「変人」小泉首相は、丸投げで出た結論にいつも固執するが、自分にキチンとした理屈がある訳ではない。逆に何があっても決して諦めていないはずだ。おそらくまだ法案提出のチャンスをうかがっているだろう。

しかし、皇位継承についての天皇陛下の考えは、誰も公式に聞いたことがないのだから推し量るしかないが、そもそも平民と同じように、「男女同権、民主主義の世の中だから、女性・女系天皇でもええやない。愛子さま可愛いし」なんてことを考えているはずがない。皇室の伝統というものを一番真剣に考えている立場のはずである。

秋篠宮の第三子懐妊は、「このままでは我らが血筋が絶えてしまう。皇統が断絶する。皇太子は言うことを聞かない。秋篠宮、頑張ってくれ」という天皇陛下の思し召しではなかったか。いや、「頑張ってくれ」などとは言わないか。「頑張ることを希望します」とか。はは。ま、しかし、皇統を絶やしてはならないという、皇室にインプリンティングされた強い意志を感じるようなニュースではあった。

「本当に女帝を認めてもいいのか」を再度拾い読み。まあ、秋篠宮に男子が生まれたとて、「皇位継承に関する安全装置」がすでに失われている以上、男系男子による皇位承継の存続は風前の灯ではあるのだが。