リス釣り

− リスの行動、知能について考える −
(わけがないか...)

概要

    ハーバードのキャンパスでは、建物がハーバード・ヤードと呼ばれる芝生の庭を取り囲む。この庭には大きいオークの木がたくさん植わっていて、リスに住み場所を提供する。私の研究室がある建物、Aiken Computation Lab.(エイケン・コンピュテーション・ラブ)は、ノース・ヤードと呼ばれる庭を取り囲む建物の一つ(参照:地図)。春夏秋冬、この庭にはえさを捜しにリスが走り回る。大学院に入学、「いつかきっとこのリスたちと遊んでやるんだ」と心に決めてはや四年、数々の実験、試行錯誤の結果、我々は効果的、効率的、さらに経済的にリスと遊ぶ方法を研究、開発。荷造り用の紐とピーナッツを使用する手法により、長時間にわたりリスと遊ぶことに成功。近距離からの写真撮影、リスの知能判断を行った。

実験機器

    荷造り用の紐、ピーナッツ

    紐は志を共にする研究者ニコラス・グロイのアパートに転がっていたものを使用。ピーナッツは大手スーパー、スター・マーケットから入手(ニコラスが自転車をこいで買いに行った)。紐を結ぶ都合上、ピーナッツはカラに二つ以上豆が入っているものが望ましい。豆が滑って抜けないように、殻の窪んだ部分に紐をまわして結ぶ事。また、ピーナッツだけだと投げる時に遠くまで飛ばないため、ピーナッツから15から20センチぐらいのところに適当な重りをつけた方が良い。あまり重いおもりをつけると投げた時にリスがびっくりするので注意すること。我々はおもりとして古い鍵を使用した。

実験の手法

    地面に降りてえさを探しているリスを探すのが一番の方法。見つからない場合はあきらめる事になるが、木に登っていてもあまり高いところにいないリスは、木の根本にピーナッツを数回投げてやることによって引き付けることが出来る。

    地面に降りているリスを見つけたら、ゆっくり歩いて距離を5メートルぐらいまでつめる。リスをびっくりさせないように。また、リスはいざとなったら木に登って逃げられるような場所に自分をおきたがるから、リスを木から遮断しないような方向から近づくように配慮することも重要である。うまく近づいたら地面にあぐらをかいて座る。正座をすると足がしびれるので、持久戦になった場合に不利である。また、今回のように実験のパートナーが(正座をする習慣の無い国からの)外国人の場合には、正座など無理である。こっちが座るとリスも少し安心するらしい。次は、結んだピーナッツをリスにできるだけ近いところに投げ、あちらの関心をひく。感心を示したらこっちのもの、適当な速度で紐を引っ張ってやるとえさを追いかけて近づいてくる。リスの度胸の良さにもよるが、数回繰り返すうちに手の届くような距離まで近づいてくることもまれではない。数回に一回はピーナッツを与え、無駄な努力ではないという事を証明することも必要。食べおわるともっとピーナッツをもらいに戻ってくるし、お腹がいっぱいだとどこかにピーナッツを埋めに行く。むこうが慣れてきたら、リスの目の前、高さ30センチぐらいのところにピーナッツを「ぶらんぶらん」とさせてみると、ピーナッツをつかもうとしてリスは後ろ足で立ち上がる(これがすごくかわいい)。初心者には難しいが、ピーナッツをうまく操作することにより、リスを「躍らせる」事も可能である。

知能判断

    「動くえさに対し、リスはどのように反応するか」という疑問の答えを実験を通して解明する事もこのプロジェクトの目的の一つである。我々はリスがえさをつかんだ時点で軽く紐を引っ張ることにより、リスの反応を学習、以下に示す三通りの反応を観察した。

    • 食べられるだけ食べて、放す
    • 一番多く観察したタイプ。ピーナッツをかじれるだけかじって、綱引きに勝てないとわかるとあきらめる。

    • 紐を食いちぎる
    • 2、3匹このような反応を示したリスがいた。他のリスがピーナッツをかじろうとするのに対し、このタイプのリスは紐を食いちぎって、ピーナッツを丸ごと持っていこうとする。このようなリスに対抗する為、今後ハリスの材質の評価をおこなう必要がある。

    • あきらめない
    • 一匹だけ度胸の座ったのがいた。いくら引っ張ってもえさを離さない。数回にわたってすばらしいファイトを披露した。このリスは驚くほど勇敢で、引っ張り上げられて宙ぶらりんになってもなかなかえさを放さず、あちらの気迫にこっちがびびってしまった。

    これらの実験により、リスにも個性があることが判明。今後の課題として、リスの知能指数測定方の開発等があげられる。

実験結果(写真)

    具体的な実験結果については、一旦メニューに戻って、写真のページを参照して頂きたい。

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