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2006/03/19 「與兵衛」

土曜日は、西大島「與兵衛」。当分これで来れないと挨拶でもするかと思いながら入店すると、親方のほうから、「今度どこか行かれるんですって」と聞かれる。I氏から聞きましたよと。ずいぶん通ったが、今度はいつ訪問できるやら感慨深いものあり。次々お客さんが来店。お弟子さんが親方のジョークにつっこむタイミングもずいぶん練れてきて、いつもながら賑やかな夜。

今まで一度も飲んだことがなかったギネスを最初に一杯。その後で大吟醸、「根知男山」。第一のツマミ皿は、海老頭、ホタテ煮浸し、甘酢づけのミルヒモ、肝、白魚、キハダマグロヅケ炙りと満艦飾。「十四代」に切替たお酒が進む。

次にアナゴ。沢煮の煮汁と共に暖ためて供する。ここでツマミにアナゴ貰ったのも初めて。煮汁も出汁が出ており美味いのだが、ネットリとした濃厚な旨みは、やはりアナゴの素材、身肉そのものが素晴らしいからだと納得。皮目を炙ったイワシと、肉厚で立派なトリ貝も結構。

このへんで握りに。この店のお茶がまた美味いのだ。キハダマグロヅケ。カツオもヅケにするが、爽やかな初夏の香りが口中に広がる。マコカレイ甘酢ヅケ、胡麻ダレと2種類。イカも軽く醤油につけてある。甘酢にくぐらせた海老もここの酢飯によくなじむ仕事。皮目を炙ったシマアジはここの売り物だが、香ばしい香りが酢飯になじんで一度食べたら忘れられない風味。カスゴ小型だが、ホロリと崩れる身が美味し。コハダは皮目が柔らかく肉質もジューシーな〆具合。ニシンは皮目を炙って。カスゴとも違う独特の質感。握りのイワシは皮目を炙らず生で。これまたネットリと乳化した脂に塩が甘く溶ける。明らかに同じ店の仕事という統一感を保った上で、それぞれの魚の旨みの違いが極限まで際立っている。ここの光り物の仕事にはいつも感嘆する。

ハマグリ、アナゴは独特のコクのあるツメによく合う。小柱すり身を入れた玉子。今回は最後にカンピョウ巻。お土産にTシャツもらってタクシー帰宅。いつもながら、実にすべてが印象的な寿司屋。