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2006/02/10 「弁天山美家古」 

しばし酒を控えてるのである。いつも行ってる寿司屋で、いきなり「お茶」というとびっくりされるだろうなあ。しかし、「弁天山美家古」なら、特段馴染みでもないし、最初から「飲み物はお茶でよろしいですか」と聞くわけだから、いきなりお茶で握ってもらって違和感ないよなあ。ということで訪問。

電話で予約して浅草まで。早い時間でカウンタは私だけ。席につくと女将さんに「飲み物は何にしましょうか」と聞かれる。あれ、なんで今日は「お茶でよろしいですか」じゃないんだ(笑)。しかし聞かれると人間弱いもので、ついフラフラ、「じゃあ、お酒。冷たいのを。山田錦でしたっけ」と言ってしまった訳であった。<あかんがな。

お酒は大関「山田錦」300ミリ1本。飲むのならと、最初はツマミをおまかせで所望。タコ、シャコ、柚子なます。生姜の効いたイカソーメン。マグロと平貝のぬたは、相変わらず味噌が濃厚で美味い。暖かいねぎま汁もしみじみと美味し。ツマミ4品。お酒は1本で終了。おまかせで握り10貫。ここの親方は、何か尋ねたなら立て板に水で、お経読むように丁寧に説明してくれるが、こちらが黙ってると特段に向こうから話しかけてきたりしないから、ある意味落ち着けてよい。

ヒラメ昆布〆はごく浅い昆布の当て方で身肉に自然の旨みあり。タイも肉厚に切って握る。マカジキ昆布、赤貝。サイマキ海老は甘酢に潜らせた仕事だが、仄かな甘みがここの硬めでスッキリした酢飯によく合う。コハダは噛み締めるうちに2段目の旨みが出てくるような〆方。マグロ赤身のヅケも美味い。スルメ煮イカ、炙ったアナゴのツメは濃厚なコクがあり美味し。オボロを挟んだ玉子で握り10貫。最後にカンピョウ巻を追加で。ポンポン出てくるが、数食べるならこのくらいのペースがよいのかもしれない。古式を残す江戸前の仕事。これで1万2千円しないのだから実にリーズナブル。お勘定までちょうど50分。飲む客を毛嫌いする訳ではないし、おまかせでツマミも出すが、まあ、長々と飲んで滞在するのは無粋に感じる店ではある。