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2004/05/30 「あら輝」

土曜の夜は上野毛、「あら輝」訪問。この頃は、12席をおよそ半分だけ使い、時間を区切って1日に2回転という方式のよう。4月から値段も改定でややアップ。ちょっと「さわ田」の営業形態に似てきたか。

ホシカレイは歯応えあり香りもよい。蒸した肝を挟んで。アワビはいつもながら馥郁たる磯の香り。カツオは爽やかな脂。実に立派なトリ貝があった。銚子の産だとか。その他、サヨリ皮炙り、北海のウニ、アオリイカゲソ炙り、アナゴ肝煮つけ、マグロ赤身など、どれも結構。よい物を選んで入れてるのがよく分かる。

ツマミの終盤に、後の調理場で酢飯を切り始めるのだが、赤酢の香りが立ち、カウンタにまでかすかに漂ってくる。他のお客は2組6名。どちらも常連で、お酒が回り握りに移行する頃には、親方も参加して、なんだかんだと寿司談義が始まる。顔見知りの客ばかりだからできる一種サロン的雰囲気というか。

マグロは宮崎、油津。脂の具合を変えていつも通り連発で何貫も。脂も乗っているが肉質がシットリしており旨みもあるマグロ。以前のマグロより更によくなった印象。「きよ田」紹介の仲卸でもなんだかんだあったが、信頼して付き合ってるうち、仲卸の中での「あら輝」の順位というか格(?)が上がってきて、昔は無理言えなかったような腹カミ1番でも自由に引けるようになったとの親方解説。

次に出してきたのが今年の初物だという小さな「梅雨松茸」。軽く炙り、トロ炙りを重ねて握る。本にもあった「トロ松」。前にも一度食べたことがあるが、いつでもあるというものでもないようだ。正統派の江戸前ではなく一種の「けれん」であるが、実際に食べてみると、マグロの脂と松茸の香りが意外に合うし酢飯にも調和する。食感の取り合わせも面白い握り。

茹でたての車エビ、アジも、しっかりとした酢飯と実によく合って美味し。アナゴも最後の海苔巻も結構であった。満ち足りて、のんびりと駅まで歩く夜道はすでに初夏の風。