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2004/01/31 「新橋鶴八」 

木曜の夜は予想より仕事が早く終わった。電話してみると空いてるとのことなので、今年初の「新橋鶴八」へ。普段顔を出す寿司屋は、なんとか1月中に1回は訪問したことになろうか。

店内改装で22日まで長い正月休みだったそうだが、「つる八」と立派な看板が表にできて、白木と竹を組み合わせた小粋な玄関に模様替え。つけ台とカウンタは変わらない。寿司屋が屋台だった古式を残すカウンタ上の屋根風造作は、大工に残しておくことを勧められ、そのままなんだそうである。

壁は全面的に張り替えられてきれいに。カウンタについて親方に本年もよろしくと挨拶。改装本来の目的であった冷蔵庫も無事に新品に入れ替えしたとのこと。「包丁桶も新品に替えましたね」というと親方はニッコリ笑う。

席に「お品書き」を置くようになったのも改装してから。菊正を冷で飲みつつ、ツマミを。この店は基本的におまかせ無し。すべて自分で注文する。刺身は5切れくらい豪快に切ってくるのであんまり品数頼まないでも十分。まずヒラメ。生臭さやクドイ甘さのカケラもない上質なもの。塩蒸しは時期外れとは言え、海の滋味を炒り付けて水分の飛んだ身に封じ込めたような深い味わい。

シマアジも実に脂の乗った腹身の部分だが、くどさがない。これまたシミジミと美味いハマグリをツマミに頼んでお酒終了。握りのほうは、中トロ、コハダ、アナゴをそれぞれ2貫、あとはカンピョウ巻。どれもいつも安定した美味さ。この店は煮切りを使わない。醤油だけの味で寿司を食べると、煮切りは意外に甘いものであることが分かる。まあ、好き好きでどっちが正しいなどというものでもないのだが。

眼鏡の若いお弟子さんは、今年になって簡単な巻物なら自分で巻くようになった。しかし、飯粒が手のあちこちについて手際はまだまだ。修行の道もなかなか険しいもんである。