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2003/12/21 本年最後の「あら輝」巡回。

土曜日は、本年最後の「あら輝」巡回。「年末は、あちこちの寿司屋に顔を出さないといけないから大変でしょう」と親方が笑う。年末までに、「與兵衛」に1回、「しみづ」と「つかさ」は複数回、あと「新橋鶴八」にもう一度くらい顔を出さなければいけない。いや、まあ、いけないってこともないのだが。

日本酒を冷で飲みつつ、まずツマミ。白身はクエ。蒸した肝をはさんで。ちょっと癖のある白身だが旨みがある。蒸しアワビはエゾアワビ。味はあっさりと薄いのだが香りはトコブシよりもよい。ウニとイクラは盛り合わせて。そろそろイクラは皮が固くなってきたのでもう終りですと親方。もうそういうシーズン。

鹿児島だというアジは実に大きな身。普通は片身を2つか3つに切ってツマミにすると思うが、まるでサバを切りつけるような方向に切って2切ればかり。ビッシリと脂が乗っているのだが、その脂があっさりと、まるで白身の魚のよう。時期外れだし握りにして美味いかと言われると疑問だが、ツマミとしては実に美味い。この店に来て、お茶でいきなりガツガツ握りばかり食べる人は損してるように思う。「さわ田」も同じような系統だ。

スミイカゲソは炙って塩で。サバも軽く炙り、胡麻とアサツキを散らし土佐醤油で。これも身が実に柔らかく美味い。茹でたてのタコは薫り高し。そう、確かに甲殻類を煮た香りがするのである。マグロ皮下の炙りは醤油タレをつけて。アナゴのキモも貰ってツマミ終了。

お茶を貰って握りに移行。本日のマグロは釜石に上がった100キロちょっとの小型。しかし、腹カミ一番を貰って、これが上質だとか。まず脂の具合を変えて立て続けに5貫ばかりマグロ連発。実に上品な脂で旨みもある。もう少し熟成しても美味いかもしれないが酢飯とのマッチングは素晴らしい。スミイカ、ハマグリ。マグロのヅケ。コハダは軽く上品な〆具合。

握りで鯛が出たのは珍しかったが、これが旨み十分。茹でたてのエビはここの酢飯とよく合う。東京湾のクルマエビもそろそろ時期が終るとか。手渡しの白子も実に濃厚な旨み。赤貝はあっさり軽やかに香る上質なもの。別にヒモ部分ももらう。赤貝が嫌いな人でもこれは大丈夫だ。

アナゴは1貫を塩で、もう1貫はツメで。とろけるような煮上げとは違う仕事だが、炙った皮目が香ばしく、旨みも十分。最後にもう1貫所望すると、今日はやはりこれでしょうと、マグロをまた握ってきた。大トロ部分。ヅケも入れると7貫食べたことになる。美味かったが大変な連発であった。はは。

隣に座ったのは男性1名とオバチャン4名。このオバチャン軍団がよくしゃべる。「さわ田」にも先日行ったとか。しかも香水の匂いが凄い。私は飲食店での香水には寛容なほうである。よい香りがするのだから、女性はつければよろしい。寿司屋だから香水つけるなとは言わない。しかし昨日のオバチャン軍団の香水は限界を超えていた。過ぎたるは及ばざるがごとし。また私自身も体調がよかったのか鼻が効いた。遠くで切りつけるクエの肝の香りやエゾアワビ、煮タコのよい香りが分かったくらいだから、余計に後から来た軍団の香水が気になったのかもしれない。

しかし「あら輝」の寿司を満喫。来年もよろしくと挨拶して店を出る。上野毛までブラブラと歩く夜道は、いつも満ち足りた気分。今週発売の「週刊現代」に「あら輝」が掲載されていると店で聞いたので途中のコンビニで立ち読み。「この世で最高のすしを食う」とグラビアで紹介されている。この世で最高とは、これまた凄い見出しである。この号が出てから問い合わせの電話がすごかったらしいが、年内はもうすべて満席。来年早々も、この分だと予約取りづらいかもしれないなあ。