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2003/07/26 築地「つかさ」で、今年初のコハダ新子を食す。

金曜の夜は会社を出て、築地「つかさ」に電話。今回は空いていた。

日比谷線で築地まで。店は他にお客2名。日本酒を常温でもらってツマミはいつも通りおまかせ。つきだしの枝豆はダダチャ豆。実に香ばしい。

まず切ってきたのは、黒ムツとヒラマサ。黒ムツは軽い脂に独特の旨みがある。身はやや赤味かかっており、本来は白身というより色物の分類らしい。ヒラマサも3キロ以上あったという分厚い身。

親方は、本日仕入れたというコハダの新子を見せてくれる。まるで鑑賞魚のグッピーを開いたかのようなビックリするほど小さな身。しかし、銀と黒のあざやかなコントラスト。7月から出始めたが、日によっては築地全体で800グラムしか入荷がない時もあったとか。初日はキロ2万5千円、高値の日は6万5千円というから、確かに本マグロよりも高い道理だ。しかも仕入れても重さの半分以上は頭や骨である。

シロイカは、ちょうどスミイカとアオリの中間のような甘味。茹でたての江戸前のエビを塩で。アジのつみれ。イワシのつみれは黒ずんだ感じになるが、新鮮で脂の乗ったアジで作ると、仕上がりは明るい色。まったく癖のない旨みだけが凝縮して出汁ともよく合う。実に結構。

黒ムツのアラを軽い塩焼きに。皮目の上品な脂が最高。金沢で食したノドグロの塩焼きを思い出す。あちらは赤ムツなのだが風味が似ている。マグロ頭の身スモーク。白ネギとカラシを添えて。もうこの店の定番となったが、濃厚な脂と旨みに桜チップの香りがからんで実に結構。生のアジ。白ウニは濃厚な脂。カンピョウをツマミで。

この辺で握りに移行。まずは、さきほど見せてもらったコハダの新子。日記を見ると、去年は7月19日に銀座新富で5匹つけを食している。今年はこれが最初。左手に丁寧に小さな身を並べてゆく。4匹並べて、身が薄いので2匹は更に中に重ねる。1貫6匹つけである。身は薄く、これといった味はないのだが、香りが実に爽やかに口中で溶ける。季節感を食べてるようなもんである。次に、片身づけのコハダを。こちらは昨年生まれ。かなり成長して脂が枯れている。これはこれで結構なのだが、新子の後ではややクドイ雑味を感じるのが不思議。

マグロは、塩釜の巻網だったか。中トロ、そしてカマ部分の剥しの身。マグロはいつもながらシットリと旨みがあり美味い。メジもあっさりと爽やかで結構。ツヤツヤと光る酢飯の具合も素晴らしい。アナゴとカンピョウ巻きで〆。実に堪能した。