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2003/04/30 寿司日記番外編 「築地寿司清 銀座店」

昨日はゴルフ疲れと喉の調子悪さに部屋でゴロゴロ。「イギリス魔界紀行」(荒俣宏/NHK出版)読了。写真は図版はキレイだが、特に目新しいことは載っていない、どちらかといえば陳腐な本。TV番組の特集をそのまま本にしたらしいが、まあ、さもありなんというか。ただ、「ハリポタ」や「指輪物語」を取り上げて、イギリス人の魔界好きは古代ケルトの影響ではないかという部分だけは、ちょっと興味深かった。

午後になって喉の調子も好転したので散歩に。日本橋高島屋の「紫式部と石山寺展」に立ち寄り。そういえば、昔々、滋賀の石山寺で紫式部が「源氏物語」の構想を練ったという部屋も見た。ちょっと懐かしい。

そうそう、4月の日記更新ストップ中に臨時で訪問した寿司屋について、遅れ馳せながら番外編で記録しておこう。

(築地寿司清 銀座店)

訪問の日は失念。予想外に残業が早く終わった日。通りすがりに入店したのは夜9時頃。銀座というより新橋が最寄のロケーション。ここに来るのは初めて。しかし、以前、「あら輝」の親方に、「あそこの店長も、なかなかいい魚を引いてますよ」と聞いていたのである。大手寿司チェインの支店だが、仕入れに関しては店長に裁量権があるらしい。

カウンタが2列向かい合った店内。たまたま案内された席は、眼光鋭い体育会系、石上店長の前。マグロのサクやおろした白身は、営業終盤に近いせいか、少々くたびれている印象。客の目の前にガラスの種ケースというのは、ごく普通の寿司屋ならみんな同じだが、粗も間近に見えるから店にとって実はなかなか厳しい環境ではある。ビン詰め冷酒「浦霞」を飲みつつ切ってもらう。タイは皮目に旨みがあり歯応えもある。見てくれよりもなかなか上質。ヒラメも悪くはない。ご近所の値段が同じクラスで比較すると、「銀座福助本店」や「たぬき」よりも質は明らかに上である。

ホタルイカをショウガで。カツオもなかなか結構。アジはちょうど旬ということもあるが脂の乗りが素晴らしい。タネ札はかかって無いので、注文はガラスケースを見るか職人と相談ということになる。貝を所望すると石垣貝が出てきた。ホタテとトリ貝の中間のような甘み。まだ身が動いているほど新鮮。このへんで握りに移行。まず中トロ。マグロについては残念ながら素晴らしいとは言いかねる。しかし、まあ値段に見合った水準。コハダもアナゴも印象には残らないものの悪くはない。

予想外によかったのは酢飯。すっきり固めに炊き上がっている。職人が握りやすく冷めても大丈夫だからか、大手寿司チェインでは柔らかく甘い酢飯が多いものだが、この店の酢飯はあなどれない具合である。カンピョウの味付けは感心しないが海苔も悪くなかった。食べてはいないが、イカもツヤツヤと透明感があり、モノはよさそう。ま、しかし、イカそのものは、ある程度以上の店ならどこで食べてもだいたい同じだからなあ。

寿司種としては、確かに凡百の大手寿司チェインの店よりも頭ひとつ抜けている印象。酢飯もしっかりしている。職人も気が効いてサービスも迅速かつ親切。勘定は冷酒2本、ツマミと握りで8千円だから実にリーズナブル。安くあげようと思えばもっと安く上がるだろう。

ただし酒飲んだ後で入ってくるような常連が結構多いのと、回りにタバコの煙がガンガン漂うのがかなわない。人気店でいつも混雑。店の雰囲気も騒然としており、席間も狭いから、落ちつかない。あと、職人達の大声は、威勢がいいのを通り越して、騒音に近い。まあ、寿司好きが一人で訪れるような店ではないのも事実だが、チェインの寿司屋としては大変に健闘している店舗。使いようでは便利に使える店だ。ただし他の支店もそうかは試したことないから分からないのだが。