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2002/09/04 寿司屋に知る秋

昨日、「しみづ」に行かれた読者の方のメール読んでたら、やっぱり行きたくなって、本日の夜は、私もまた「しみづ」に。当日に電話して席が空いてたのは、なかなか運がよかった。ははは。

店に入ったのは会社帰りの午後7時。日本酒常温で飲みつつ、ツマミを。台風の影響はやや去ったか、今日の種札は、前回より復活して増えている。「これからはタイも、戻りカツオも美味くなってきます」と言う親方が、まず出してきたのはタイ。半分はそのまま皮を引いて、半分は皮を炙って。塩で食べると実に淡麗で上品な脂ながら美味なり。

シマアジも、半分は生だが、半分は皮目を軽く火を通してある。ここの白身は、冬場の脂の乗ったヒラメや夏のカレイもそうだが、本当にいい物に当たると、実に濡れ濡れとして、身に透明感があり、素晴らしい。

アワビも、ビックリするほど大きいものを切りつけて。久々のカツオは、すでに戻りカツオの走り。叩きのようにワラで炙ってあるのだが、カラシ醤油で食する、濃厚な脂に実によく合う。ここで、先日も食べたキジハタ切り身の酒蒸し。歯応えのある身は、実に美味なり。

スミイカのゲソを、軽く炙って塩で。小さいが、これまた美味い。サバは、〆たものを焼き霜で。これもカラシ醤油で食べると脂のクドサが落ちて、旨みだけが引きたつようで、実に結構。昔の江戸では、ワザビはまだ一般的でなく、脂のある身はカラシで握ったものだという。大トロもワザビが効かないというが、カラシを使うというのも、昔の知恵だよなあ。

ここで、お茶に切り替えて握り。まず、いつもの順でマグロ中トロ。1貫は、ほとんどトロ状態。相変わらずマグロのコクと上品な脂十分で美味い。今月から解禁だという赤貝を、せっかくなんで1貫だけ。実にフックラした立派な身。

アナゴを頼むのもいつものことだが、今回は、1貫はツメをつけずに山椒塩で出してくれた。山椒塩で食べると、ここのアナゴの美味さは、ツメの味ではなく、崩れるほど柔らかに煮上げた身そのものの旨みであることがハッキリと分かる。最後は、カンピョウ巻。これまた海苔の香り高い。今日は、いつにもまして素晴らしかった。そろそろ、寿司種が美味くなってくる秋が近づいてきていることを実感。