MADE IN JAPAN! 過去ログ

MIJ Archivesへ戻る。
MADE IN JAPAN MAINに戻る

2002/08/01 スズキの次はムネヲだよ。

昨日の夜は、いつもの「しみづ」。

あまりにも暑かったので、まず最初にビールを小瓶で。突出しはザル豆腐。塩をかけてあるが、大豆の香りがして、なかなか美味い。

最初に切ってきたツマミは、スズキ。種札には「ふっこ」とあるが、大きさからいうとすでにスズキだとか。爽やかな夏の白身。特に皮目に近いところが、コリコリとした歯ごたえがあり、実に美味い。身には一種独特のクセがあるのだが、脂が乗っているとこれが気にならない。

「親方、これは、セイゴ→フッコ→スズキと名前が変わる出世魚だね」
「そうです」
「スズキが更に出世すると何になるか知ってる?」
「??」
「ムネヲだよ」
「何バカなこと言ってんですか(笑)」


このネタは、なにかの月刊誌に載ってたのだが、寿司屋で一度使ってみたかったのだ。スズキが置いてあったよかった。ははは。このへんで、日本酒の冷やに切り替え。

シマアジは、新島に近い、式根島の産。天然物独特のツルンとした舌さわりに、爽快で軽やかな脂。千葉大原だというアワビも、だんだんと旨みが増してきた。

ここで、スズキのアラの酒蒸し。骨をすいた腹身の部分だが、大変に脂がある。身を成分分析すると、ヘタな中トロよりも、ヒラメなどの白身のほうが脂肪の含有量が多いらしい。しかし、夏の白身の脂は、濃厚な冬の白身の脂と違い、あくまでもかすかな香りで軽やかなのであった。

カツオは、アサツキ、ショウガ、ミョウガの薬味醤油で。藁で炙った皮目の香りが、相変わらず素晴らしい。初カツオの頃からは、かなり脂の乗り具合と身の風味が変わってきた。

あおやぎを串に差して炙ったのを七味唐辛子で。ちょっと酒が残ったので、酒盗の塩辛をもらう。カツオの腹ワタの塩ヅケなんだそうだが、これが実に新鮮で鮮烈な滋味。ご飯と一緒でも美味いだろうなあ。

ここで握りに移行。中トロ、コハダと2貫づつポンポン握ってもらう。コハダは大きいのと今年の新子と1貫づつ。この店のコハダは、かなりしっかり塩と酢で〆るので、身の薄い新子は、あんまり好んでは使わない。しかし、そろそろ使える身の厚さになってきたとのこと。半身を2枚づけで。

東京湾のアナゴも、フックラして美味い。もっとも、親方の言うには、7月初旬に、すでに盛りは過ぎたのではとのこと。海苔巻でおしまい。ここのカンピョウは味が濃いので醤油は要らない。相変わらず、炙った海苔の香りが香ばしく、素晴らしい。