MADE IN JAPAN! 過去ログ

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2002/03/15 しみづ

会社帰りに、「鮨処 しみづ」。日本酒常温でツマミから。まずタイ。塩とすだち酢につけて。上品に脂が乗った香り高い白身。次にトコブシ塩蒸し。トコブシにしてはかなり大きく、これも悪くはない。

ミル貝。これも塩とすだち酢で頂く。タイのアラ酒蒸し。腹側の身についた脂は最高に美味なり。酒が進むなあ。

コノワタの塩辛。スミイカ細切りに合えて。コノワタは、ひとつのナマコからちょっとしか取れない。だから自家製は不可能で、業者から買ってるのだそうだが、実に清冽な潮の香りだ。まだ酒が残ってたので、ハマグリをつまみで。

これから春になって、増える寿司種があるかと聞くと、減る一方との話。

夏場になると、シマアジが戻ってくるねと確認すると、今までシマアジを仕入れてた築地の仲卸が廃業してしまい、どこから入れようか思案しているところなのだという。

現在ではシマアジは9割9分が養殖もの。しかし、ここで出してたのは、「島もの」と呼ばれる伊豆大島産を始めとして、実に香り高い上品な脂の天然シマアジ。もしも同じようなのが夏になっても入らないとがっかりだな。

春先には、多分カツオが出る。初夏にはアワビも戻ってくる。夏場には、アジが出て、コハダとスミイカの新子も出てくるだろう。この店もずいぶんと寿司ダネの旬には先鋭的で、ちょっとでも時期を外すと、すぐにタネ札から外してしまう。

師匠にあたる新橋鶴八では、まだヒラメもサバもタネ札に載っており、十分美味いと思うのだが、この店では3月に入ったらもう使わない。タコも、旬外れということでラインナップから外れてしまった。食べられる時に食べておかないと、季節の移り変わりですぐにネタ札から無くなってしまう。旬の移り変わりを、大変敏感に感じ取れる店ではある。

お茶に切り替え、握りはいつもの注文。中トロ、コハダ、アナゴ、カンピョウ巻。江戸前寿司の基本を制覇して終了。