MADE IN JAPAN! 過去ログ

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2002/01/28 銀座「からく」初訪問にして最後。 

昨日の夜は、銀座の「からく」。5丁目のビル地下だが、階段から下りてゆくと、2重扉のようになっていて、一瞬とまどう。そうか、エレベータで下りればよいのだな。はは。

店に入って、名前を告げ、若いのにコートを預かって貰ってると、カウンタ内の職人は、何か気に入らないところがあったのか、この下働きを怒鳴りつける。しかし、客がコート預けてる時に、コートを受け取っている担当の下働きを怒鳴りつけたら、客のほうが気分悪くなることくらい分からないものかね。イナセな、いかにも寿司屋らしい男前の職人であるが、オツムは相当悪い威張り屋だ。上っ張りの胸には、「高崎」と入っている。店のオーナーは不在のようだが、初っ端から職人の躾がなってないことが判明したような気分悪いスタートである。

冷酒を頼むと、グラスに入った凍結酒が出てくるのにちょっとびっくり。しかし、これはこれで、溶けかけをチビチビと、飲み過ぎなくてよろしい。

日曜は通しの営業なので、「なか田」譲り、名物の氷柱はかなり溶けているが、なかなか珍しい眺めではある。

担当についたのは、さっきのオツム悪いのではなく、真面目そうなまだ若い職人。ツマミを見計らいで頼むと、まず切ってきたのが、寒ブリ。しかし、やや新鮮さに欠け、幽かではあるが生臭いのがちょっと食欲に触るのである。次にスミイカ。これも悪くはないが、まあ凡庸。サバは〆過ぎ、しかも端切れのほうをケチ臭く切ってきたのには、ちょっと閉口。まあ、河岸が休みの日曜だし、私も一見の客だからなあ。ここで冷酒をもう一杯。

赤貝とホタテ。これは、まあまあ水準か。ホタテのちょうつがい(?)を串に刺して炙りで。これは七味が効いてなかなか美味。もう1品暖かいものを所望すると、イワシを煮てポン酢をかけて出してきた。これは美味い。もっとも生で食べれるものを煮てるのだから、美味くて当然と言えば当然なんだが。

ここでお茶に切り替え。おまかせで握ってもらう。握りの前に、カイワレ大根の梅酢和え。

シャリは、離れた保温ジャーから、小さな桶にその都度取ってくるのだが、これが「なか田」流なのだろうか。握りは全て煮切りを塗って出す。まず、トロとヒラメの昆布〆。悪くはない。しかし、素晴らしいというほどでもなあ。シャリにもこれといった特徴は無し。次にヅケ。今、発売中の某雑誌の表紙は、この店のヅケ丼なのであるが、味のほうは、こんなもんなのかいなあ、といった印象。

刺身で出した寒ブリを、今度は軽く炙って握る。これは美味い。ヤリイカを塩で。次に生のトコブシ。あるいはアワビか? 他のネタは、出す時に名前を言うのに、これだけは職人が黙って出すので分からなかった。アサリと生海苔の味噌椀が出て、イクラ、アナゴ、玉子、カンピョウ巻きで、だいたい一通り。

勘定は、酒2杯で、1万7千円。ほぼ「ととや」と同じ。平日は接待の客が多そうで、雇われ職人の愛想もそれほど悪くはない。しかし、ネタそのものは、「福助」よりちょっと上、「ととや」よりかなり下といったところか。日曜ということもあるが、火を通したもの以外はあんまり感心しなかった。払った値段に見合った内容かと問われると、見合わない。

想像するに、おそらく接待で使う常連には、もうちょっといいネタを出しているのではないかな。そうでなければ、到底、固定客が付いて繁盛するようなコストパフォーマンスではない。ということで、個人としては、まあ再訪はしないなという結論であった。