MADE IN JAPAN! 過去ログ

MIJ Archivesへ戻る。
MADE IN JAPAN MAINに戻る

1998/04/24 フォレスト・ガンプの謎

帰ってTVをつけると「フォレスト・ガンプ」をやっている。アメリカではケーブルTVで見た。しかし、日本語の副題「〜一期一会〜」ってのは、一体何なのか。

ガンプ役の声優は、トム・ハンクスが見事に演じた特徴ある、あのトロイしゃべりを、なかなか頑張って日本語に移そうとして頑張ってはいる。しかし、軍隊での相棒、黒人のババの吹き替えには笑っちゃうよなあ。全然駄目。途中から副音声に切り替える。

ストーリーは、皆様ご存知の通り、純朴でトロイ男が、運命に翻弄されるままに、いつの間にやら大成功する、アメリカ版わらしべ長者みたいな一種のおとぎ話。アメリカでも大ヒットしたが。エルビス・プレスリー、ケネディ、公民権運動、ウォレスの暗殺、マリリンモンロー、ベトナム戦争、ヒッピー、ドラッグ、フラワーチルドレン、ニクソン、ウォーターゲート。アメリカの歴史を振り替える数々の映像には、やはりアメリカ人のノスタルジーに訴えるものがあるんだろう。


ところで、ここから先は、実は不必要な深読みになるのだが、どうも、フォレスト・ガンプには謎があるような気がする。ひとつには、ジェニーに再会した時、唐突に、「あなたの子どもよ」と言って息子を紹介する場面。結局、ジェニーの死後、ガンプが2人の愛の結晶として育てる事になるのだが、この子どもは本当にガンプの子どもだろうか。

もうひとつ、結局、その後、ジェニーは死んでゆくのだが、この病気もあまりにも唐突で、映画でも説明されていない。いったい何の病気だったか。

私の仮説を紹介すると、まず子どもについては、ガンプに似ず頭がいいってのが、どうも疑問を抱かせる伏線のような気がする。それまで、一度もガンプを本気で愛した事が無かったジェニーの態度からしても、多分これは、他人の子どもですな。じゃあ、なぜ、いきなりガンプを呼んで紹介したりしたのか。

それはやはり、ジェニーが自分の死期を悟ったからでしょうねえ。で、その通り、ジェニーは死んでしまう訳なんだが、これは何の病気だったのだろうか。ジェニーが売春まがいの事をしていた事や、麻薬を使っていた事は、映画でも言及されている。これは映画の趣旨から言っても、アメリカの歴史を振返る時には避けて通る訳にいかない病気、当然、エイズでしょう。

ガンプは、数奇な運命のいたずらで、あれよあれよと言う間に、物質的には成功を収める訳だが、ただひとり愛したジェニーの愛を得る事は、結局、最後までできなかった。永遠の恋人ジェニーは、他人の子どもをお人好しのガンプに押し付けてエイズで死んでゆく。こういう風に見たほうが、実に人生の無情を感じさせてラストも深い。そう思うんだけどなあ。ま、そんな風にシニカルに見るのは、私だけか、きっと。ははは。