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2007/02/07 「The man of the year」  

西海岸のオフィスでは、月曜、火曜と打ち合わせと会議ばかり。朝から晩まで英語の会議というのもやはり疲れる。しかし昨日で一応終了。本日は早朝にホテルをチェックアウトして空港に。レンタカー返して、しばしRed Carpetでネット接続など。フライトは定刻通り。機体は767。エコノミー座席の背にも小さな液晶画面がついてなかなか快適。行きの飛行機では会議に備えて仕事ばかりしてたのだが、一応それも終了。帰りの機内では割とのんびり。「The man of the year」なる映画も見た。

ロビン・ウィリアムス演じるトークショーの人気コメディアンが主人公。かねて政治に不満を抱いていた彼は、独立系の候補としてアメリカ大統領選出馬を決め、政治の停滞を突いて台風の眼となる。一方、全米に導入される新たな電子投票システムを開発した会社では、本番稼動の直前に女性エンジニアがこのシステムの不具合を発見。投票と違った結果が出力されるのだ。彼女はその事実をCEOに報告するが、会社の業績を気にするCEOはその情報を握りつぶす。そして実際の大統領選挙。このコメディアンは、システムの不具合から当選してしまう。そしてその事実を公表しようとした女性エンジニアは会社から追放され、命まで狙われる。一種の政治サスペンス物。

映画で開票を報じるキャスターの、「コメディアンがアメリカ大統領になりました」という放送は、青島幸男、ノック、そのまんま東と、まあ、日本では割とお馴染みの光景か。アメリカでは、ゴアvsブッシュの時に投票処理システムの不備や不正まで取りざたされたことがあるし、素材としては、そもそもあまり荒唐無稽な話ではない。しかし、この映画そのものは、脚本の問題か、妙にリアリティに欠けている。

投票システムに不具合があったとして、メディアが調べる出口調査や世論調査の結果とあまりに違った結果が出れば、どう考えても大騒ぎになるはず。そもそも得票を集計するだけの単純なシステムで、候補者の名前の綴りによって不具合が出るというのも納得行かない。アメリカの大統領選挙は州単位の投票で代議員の獲得をカウントするのだから、全米で同じコンピュータシステムが使われるというのもおかしな話。不具合を発見し、会社から追われた女性エンジニアが、当選を知らされた後のロビン・ウィリアムスに近づくシークェンスにしても、最初にFBIの名前を語ったり、真実味無くあまり感情移入できない成り行き。演じる、Laura Linney 自体は、なかなか好演だし、他にも、クリストファー・ウォーケン、ジェフ・ゴールドブラムなど有名どころを揃えているのだが、映画全体は、どうもイマイチな出来であった。日本では公開されるのだろうか。

フライトはほぼ予定通り空港帰着。日曜から停めてあり、ガチガチに冷え切った駐車場の車に乗り込むと、車内でも息が白くなる。朝までいた西海岸と比較すると、華氏で70度近く、摂氏でも30度ばかり温度が違う。昨日はもっと寒かったらしいから、まだマシになった部類だろうか。1月は例年に比べずいぶん暖かかったのだが、2月になって急に寒さが戻ってきた。