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2005/09/04 「マザー・テレサ」

午前中はゴルフの練習で一汗。隣の打席では、初めてボール打つと思しい高校生くらいの息子に親父さんがあれこれ教えている。仲のよい親子らしく、やり取りがなかなか微笑ましい。そうそう、止まってるボールをティー・アップしたとはいえ、最初はなかなか当たるもんではないんだよなあ。と思いながらスイングすると、こっちもダフってボテボテの当たりが。アッ!。ゴルフ上達への道は迂遠である。

午後は銀座に出て「マザー・テレサ」を見た。

オリヴィア・ハッセーも、もう54歳。プロモーションで来日した時のTVではずいぶん老けたなあという印象。しかし映画の中で修道服に身を包み神に祈る姿は、実に可憐でまるで少女のように見える。哀しみをたたえながらも強い意志を感じさせる澄んだ目が印象的。実際のマザー・テレサの生涯を題材とし、極端な映画的脚色を廃して淡々と描いた分、観客に静かな感動を与えることに成功している。

貧困と混乱のカルカッタ。ただ神の御心を信じ、修道院を飛び出し、混乱と動乱のカルカッタの路傍で、貧者、子供、病人のために捧げた生涯。新たな修道会設立を審査するためにローマからやってきた神父をも「誰も神のペンシルを止めることはできない」と感嘆させた生涯を、ハッセーが実に印象深く好演。

カトリックでは、「聖人」と呼ばれる前に「福者」という尊称がある。本来、何十年も審査にかかるのが通例らしいが、マザー・テレサは異例にも没後数年で「福者」に列せられたと報じられたのも記憶に新しい。うっかり見過ごすが、彼女が修道会を設立して活動したのは、市民の大半がヒンドゥー教とイスラム教であるインド・カルカッタなのであって、これも考えてみると実に困難な道であったのだろう。私はクリスチャンではないのだが、クリスチャンには実に偉大な人物がいる。素直にそう感じる伝記映画である。