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2005/07/11 「スター・ウォーズ エピソード3 / シスの復讐」

昨日の午後は、「スター・ウォーズ エピソード3 / シスの復讐」を見た。さすがに混雑しているが、映画館は全席指定で混乱はなし。

映画の冒頭、宇宙船が乱舞する戦闘シーンは眩暈がするほど壮大で、息を呑む圧巻のシーンに仕上がっている。これはやはり映画館の大スクリーンで見ないと意味がない。爆発した宇宙船の破片が飛び散るところや墜落シーンなど、実にリアル。911同時多発テロの映像や、スペース・シャトル爆発事故などを思い起こさせるショットもあり。CGは、「人間が見たことのないもの」を新たに作り上げるというより、現実を模倣することによってリアリティを獲得し、それを消化することで次々に進歩してゆくのだろう。

アナキン役のヘイデン・クリステンセンの演技は生硬で、ダークサイドに陥る描写も説得力には疑問が残る。しかし、周りはC3POやらR2D2、クローン兵やバトル・ドロイド、CG駆使したエイリアンなど、ほとんど表情が無い連中ばかり。人間の演技だけに目くじら立てるような映画ではない。演技的にはヨーダが一番安定した名演かも。

熱心なファン・サイトでは、設定の細かい矛盾などの重箱をつついてるところもあるようだが、要するにエピソード4〜6を作成した後で1〜3を作っているのだから、少々の無理はしかたない。むしろ、物語が大きな破綻なくよく繋がったなと感心した。シリーズを企画した時のオリジナルのシノプシスは数ページしかなかったと聞いたが、それがよくできていたというべきだろう。

本作は、シリーズを締めくくる壮大な大団円。ジグソーパズルの終盤、残っていた大きなピースがカタカタと決められた位置に収まって行くかのような爽快なカタルシス。映画のラスト、ダース・ベイダーの誕生も印象的。ライト・セーバーによる戦いもこれが最後とばかり大盤振る舞いで凄まじい迫力。映画として実現したSFの中では、やはりこれが別格とも言うべき成功作。誰でも十分楽しめる映画になっている。

映画のラスト、砂漠の惑星タトゥイーン。2重太陽系の夕陽は、第一作を思い出して実に懐かしい。マット画でもうひとつ太陽を描くだけで、特撮としてはごく単純なシロモノだが、コロンブスの玉子。SF好きなら誰でも胸に響いた印象的なシーン。こうして総計6作に及んだ壮大な物語はスタートに戻って大きな円環を閉じ、SF映画の記念碑的名作として長く人の記憶に残り続けるのだ。