MADE IN JAPAN! 過去ログ

MIJ Archivesへ戻る。
MADE IN JAPAN MAINに戻る

2005/07/03 「宇宙戦争」


日曜なのに割と早く目が覚める。窓を開けると結構涼しい風。1時間ばかり散歩した後で、ゴルフの練習に。ドライバーがなかなか調子よし。120球くらい打って軽く一汗。

午後は銀座に出て「宇宙戦争」を見た。原作は、H.G.ウェルズの有名な古典的SF。昔に映画化作品があるのだが、商売上手なスピルバーグが人気者のトム・クルーズとダコタ・ファニングをキャスティングして再映画化。「World War」なら「世界大戦」だが、「The War of the Worlds」と「world」が複数形になると、「世界」と「世界」の争いと言う意味になる。「宇宙戦争」という邦題は、ずいぶん昔のウェルズの原作そのままだが、考えついた翻訳者はなかなかエライ。

主人公の家庭は、スピルバーグはこれしか描く芸がないのかと思うほど、いつもと同じ離婚家庭。男親の立場を描くのがやや目新しい程度。しかし、SFXは素晴らしい。異星人の侵略と凄まじい破壊は、映画冒頭から凄まじい迫力で息もつかせずに描かれる。地下室に隠れるサスペンスもまずまず成立している。

地球を焦土に変えるエイリアンの乗り物(トライポッドと呼んでたか)が、人類が出現するずっと前の太古から埋められていたというのは原作に無い斬新な趣向で興味深かった。もっとも、結末から考えるに、結果的に大変準備の悪いというか、後先考えてなかったボンクラなエイリアンなのであるが、あの脱力のラストは有名なウェルズの原作通り。まさかその通りやるとはびっくりしたが、ここで文句言っても、まあ、しかたないのであった。

圧倒的な迫力で人間を殺戮するエイリアンの乗り物に追われ、主人公家族が逃げ惑うという以外の特筆すべきストーリーは無い。ドラマとしての深みもない。しかし、単純なホラーとして見るなら、この映画は、観客をハラハラドキドキさせながら最後まで飽きさせずに連れて行くだけの力は持っている。

あちこちで、「未知との遭遇」、「ポルターガイスト」、「E.T.」、「ジュラシック・パーク」、「A.I.」といった、おなじみのスピルバーグ作品で見たことある気がするシーンが連発されるのはご愛嬌。ひょっとして助監督に「おい、アレと同じように撮っとけよ」と演出の手を抜いたのかもしれない。しかし、炎上した列車が踏み切りを轟然と通過して行くシーンは、実に映画らしい印象的なシーンとして成立していた。あれは原作にもあったかね。

子役、ダコタ・ファニングの演技力には感服。1994年生まれねえ。最近、ずいぶん映画に出ている。アメリカで子供の頃からスターになると、両親が離婚して親権(というより子供の稼ぎをどっちが貰うか)を巡って裁判で泥試合やったり、悪い男に引っかかったり、刺青入れたり、麻薬に溺れたり、アル中になったり、万引きしたり。とてつもないOvernight Successに見合う悪いカードをも、神様はキッチリ配ってくれることになってるのだが、ま、なんとかスクスク育って頂きたいものである。

ひるがえってトム・クルーズだが、労働者階級の頭悪く怒りっぽい父親という、外見からはあんまり向いてない役柄を頑張って演じている。しかし役作りは単調で、あちこちでファニングに食われる。もっともこれは本人の演技力というより、そもそも監督スピルバーグに大人の人間を描く演出力が備わっていないせい。こればかりはしかたないか。ティム・ロビンスも、せっかく出演した割には、何してたのかといった出来。まあ、これも本人を責めるのは酷かもしれない。

印象的なショットも数々あり、まあ、値段分くらいは楽しめる。エンリアンがウェルズ原作にある有名なタコ型でなかったのがなんとなく残念だが。宇宙人SFというよりホラーの範疇かな。