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2005/04/29 「コンスタンティン」

先週日曜に「コンスタンティン」を見たのだが、感想を書き忘れていた。

黒魔術に通じ、天使や悪魔と人間の中間的存在「half-breed」を見分けられる特殊能力を持った男を演じるのがキアヌ・リーブス。自殺に失敗し、地獄行きが決定している彼は、それでもなお天国への道を模索し、魂の救済を求めてこの世に襲来する悪魔の手先を退治し続ける。

いわゆる「ロンギヌスの槍」の発見、貧民街でのエクソシズム。映画は冒頭から一種異様な疾走感を持って進行する。地獄の描写や、現世に来襲する悪魔の使い、主人公が使う黒魔術の数々。この映画は、カルト的人気を博しているあるコミックから作品世界を引用しているのだそうで、確かに世界観にある種の一貫性が感じられる。もっとも原作のある映画にはつきものであるが、原作コミックの熱狂的マニアにはだいぶボロカス言われているようなのだが。

末期の肺ガンに侵されてもタバコを吸い続ける主人公の無機質なハードボイルド。キアヌ・リーブスはこの奇矯で偏屈な主人公をなかなか魅力的に好演している。双子の妹自殺の謎を追う女刑事役は、どこかで見たと思ったら、「ハムナプトラ」シリーズのヒロイン。なぜかだいぶ眉が太くなっている。撮り方によるのだろうが、前半部分ではあんまり綺麗に見えないのが不思議。逆に、天使とのhalf-breed、ガブリエル役のティルダ・スウィントンが実に印象的だ。

盛り込まれたエピソードは多く、全般的にはスピード感よくストーリーは進行するのだが、細かいところで少しずつダレる。しかし、その弛緩具合が妙なリズムを作っているともいえるだろうか。全編を通じて使われるCGによる特殊効果はなかなか印象的。アクションもスタイリッシュ。映画全体を流れる不気味で暗いムードもストーリーを引き立てる。もう一巻の終わりかと思われたラスト、「sacrifice」により悪魔をトリックにかける小気味よい逆転劇、しかし主人公を再び捕らえ現世に送り返す悪魔の再逆転。ああいう風に悪魔に肺にたまったニコチンとタールを取ってもらいたいものだがなあ。おそらく続編を意識に置いたラストだろうが、なかなかよくできた映画だった。

エンドロール後にもう少し場面があるのだが、これは本当に最後の部分。あまりにも出てくるのが遅い。映画はエンドロール最後まで見るものだと言われれば反論はないが、あれはちょっと反則という気が。もっとも見なくとも、あんまり本筋に影響はないかもしれない。