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2004/05/24 「ドーン・オブ・ザ・デッド」

昨日の午後は日比谷に出て「ドーン・オブ・ザ・デッド」を見た。ホラーはいつでも、見てからやはり気持ち悪いなと後悔する。しかし、ついまた見てしまうという懲りない繰り返し。

この作品は、ジョージ・A・ロメロ監督の同名作品のリメイク。オリジナルは、「ゾンビ」という邦題で公開されたホラーの記念碑的作品。「NIGHT OF THE LIVING DEAD」、「DAWN OF THE DEAD」、「DAY OF THE DEAD」がロメロの「ゾンビ3部作」。考えてみると、私自身はラチもないことに3作とも見てるんだよなあ。はは。

昔、「今まで見た映画の中で『ゾンビ』が一番怖かった」と言った女性がいた。私自身はその時には未見。興味があって後でビデオで見たのだが、一番怖いかどうかは別として、確かに救いがないストーリー。ホラーというより一種の地球終末物と呼んでもおかしくはない恐怖の種類である。

今回のリメイクも、話の設定はロメロ版とほぼ同様。突然死者が蘇り人間を襲う。ゾンビに襲われ死んだ人間はゾンビとして復活する。ショッピング・モールが舞台というのも前作通り。アメリカの痴呆的大量消費社会がゾンビの群れに重なる印象的な設定ではある。

しかし、今回のゾンビが元気よく、疲れを知らず走り回るのには度肝を抜かれた。ゾンビはヨロヨロ歩くのがお約束のはずで、あんなに元気なのはルール違反だ。あの調子で次々襲われたら人類はたちまち全滅である。

ビルに孤立した男との連絡や、ゾンビ・ベビー誕生など、前作にはなかったシークェンスも追加されているが、ラストはオリジナル同様に暗く、救いがない。個々の映像はなかなか印象的であるが、俳優陣にはあまり力量が感じられず感情移入ができない。まあ、これは低予算で作ったオリジナルも同様ではあるのだが。

見終わった印象は暗い。感動やら人生に役立つような教訓ともまるで無縁。しかし映画館の暗闇から街に出ると、「おお、現実社会にはゾンビが歩いてないぞ」と実に清々しい気分になる。ま、この手の映画の効用というのはその程度かも。