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2003/11/10 「キル・ビル」

日曜午後は投票所に行ってから銀座に出て「キル・ビル Vol.1」。「マトリックス」に客が流れたか、意外に空いている。普段ポップコーンなんぞ食べないが、なんとなくこの映画には合うような気がして売店で購入。

余談だが、万引きで逮捕された映画スターは、ずっとこの映画主演のユマ・サーマンだと思っていた。今回、不審に思ってネットで調べると、ウィノナ・ライダーであったことが判明。いったいどこで記憶違いしたんだろうか。不可思議なり。はは。

映画のほうは、あっけらかんと実にバカバカしい展開。ソニー千葉の珍妙な寿司屋、日本刀持ち込みOKの飛行機、片言の日本語、雪の日本庭園での立ち回りなど、荒唐無稽なこの映画を象徴する印象的なシーンの連続。単細胞なエンターテインメントとして見るのが面白いのであって、ストーリーや設定や人物描写をどうのこうのと目くじらたてて評価するような映画ではない。、

日本のヤクザ映画と時代劇とアニメ、香港のカンフー映画と西部劇をごちゃまぜにしてガラガラポンと出てきた多国籍B級ムービー。「マトリックス・リローデッド」でアチャオチャと永遠に続く退屈なカンフー・アクションに比べれば格闘シーンには新鮮さがある。それは、奇妙な美学を持った映像の様式化が画面に一種の緊張を与えているから。「ガイジン」が感じとったヤクザ映画の美だ。

ただし、ある程度戯画化されてはいるとはいえ、手が飛び足が飛び首が飛び、血シブキが派手に撒き散らされる暴力シーンはあまりにもやり過ぎ。アメリカでは流血シーンはモノクロ映像になっているらしい。日本は映像における暴力表現の規制が甘いので、大丈夫と踏んで日本版はカラーで公開したのだろうか。アメリカ人にそこまで見透かされてたとしたら、ちょっと気分悪い話でもある。

最後にびっくりしたのが、これがVol.1であって、後半部分がまた別途公開されるということ。そんな話はちっとも聞いてなかったが、確かにお話は途中でいきなり終わってしまった。あっさりと次回に続く。ま、しかし、それもまたB級テイストと言えばそのとおり。