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2003/02/24 「ロード・オブ・ザ・リング〜二つの塔」

昨日の午後は銀座に出て、「ロード・オブ・ザ・リング〜二つの塔」を見た。私は、指輪物語マニアではないし、原作も読んでないから、映画だけで素直に楽しめる。熱心なマニアは全世界で、あれが違う、ここが描けてない、翻訳が間違っていると、実に細かいところまでこだわってるらしい。原作モノってのは、そこが難しいな。

大画面で見ると、ロケ地ニュージーランドの風景は実に雄大で迫力あり。もっともどこまでCGで補正してるのか分からないが。冒険と魔法、友情と裏切り、そして壮大なスケールの戦闘。こういった物語が映像化できるとは、CGの発達無しには想像もできなかっただろう。前作DVDのメイキングを見ると、すでに3本分を一気に撮影してしまってるらしい。なかなか効率的である。

旅の案内をするゴラムは、前作では眼しか映らなかったが、今回は大活躍。これが非常によく出来ている。あれはCGで作ってるのだろうか。とても着ぐるみには見えない。顔の表情は、なんだか宮沢元総理を思い起こさせる。そういえば、SWのヨーダも宮沢元総理に似ているな。

映画を深読みする人に言わせると、「グレムリン」は日本の経済侵略を風刺した映画だという。「猿の惑星」は、有色人種の人口増加におびえるアメリカ白人の根源的恐怖を表した映画だと。その伝で行くと、珍妙な英語をしゃべり、野蛮でセコく、チビで卑屈で信用のおけない、この情けない生き物ゴラムは、コーカソイドの深層心理に投影された日本人(あるいはアジア人全体)をモデルにしてるということになろうか。

このゴラムは、映画のあちこちで、指輪に操られた心の中の葛藤を、一人芝居のように演じるのだが、これが表情豊かでよくできている。まるで落語を参考にしたようにも見えるのだが、だとすると、やっぱりゴラムは日本人がモデルかもしれないな。ははは。

そういえば、この映画に出てくる人間族は白人ばかりだ。黒人もアジア人もいない。エルフにしてもどうみても白人ばかり。これは勝手な推測にすぎないが、アフリカン・アメリカンな方々は、この映画をあんまり好んで見ないんじゃないかな。確かに、このファンタジーの作品世界を構成するにあたって、原作者トールキンの念頭にあったのは中世・古代のヨーロッパ文化であって、白人以外の人種など、まったく念頭になかっただろう。

まあ、あんまり余計な事書くと、熱心な「指輪マニア」に叱られるといけないので、このへんで。しかし、なかなか壮大で、見所も多い映画ではあった。