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2002/09/14 「マルホランド・ドライブ」〜オタ公の深読み

今週は、日曜から木曜まで出張だったので、ずっと日記お休み。仕事用のPCは持って行ったのだが、さすがに日記更新する気力まではなかった。はは。

出張先では、毎日、夜は同行した数名で飲み会。木曜の夜に帰京して、そのまま本社の飲み会に合流。金曜日は久々に出社して、一日中会議で、夜はまた宴会。タクシー帰宅。本日は、さすがに飲み疲れで、起床したのは9時過ぎ。いやはや。

お昼は車で銀座に出て、本を物色。午後は、部屋に戻って、買い置きしてあったDVDで、「マルホランド・ドライブ」を見る。封切時に映画館でも見て、感想は過去日記にも書いたが、デビッド・リンチ的不思議な衝撃とサスペンス、そしてテンションと映画的興奮に満ちた素晴らしい映像。

ナオミ・ワッツは、映画の中の劇中劇でも示した通り、素晴らしい演技力。ある意味、汚れ役だが、よくここまでやったという気がする。ゴージャスな謎の美女役、ローラ・エレナ・ハリングは、キャスト紹介を見ると、メキシコ生まれで、6歳の時にテキサスに移住、スイスで高等教育を受け、インドで働いたこともあり、なんとか伯爵と結婚していたこともあるのだとか。なんだかウサン臭い経歴だが、日本の「叶姉妹」よりも何倍もスケールがデカい。美貌だけを武器に、リッチな世界を生き抜ける女ってのは、やっぱりいるのだよなあ。と、妙な感心。

そもそもストーリーには重きをおいていない映画で、あまり論理的な筋書きに拘泥すると逆に楽しめない。特典映像で入っている、デビッド・リンチ監督のインタビューでも、この作品の説明として、「音楽に理屈はいらないのと同様に、この抽象的な映画も、同様に「体験」して楽しむためのものだ。」ということを語っている。

しかし、どうにも意味不明なのは、このDVDに入っている妙なカード。おそらく、日本の配給会社の宣伝部が作ったのだろうが、【この映画の謎を解く、監督からの10のヒント】 というのが書かれている。「2.赤いランプシェードに注意」、「5.誰がなんのために鍵を渡したのか」、「7.クラブ・シレンシオではどんな感情がうまれ、つのっていったのか」 などなど、思わせぶりだが、ほとんど回答不能な、妙なことばかり書かれている。

この映画の成り立ちとデビッド・リンチのインタビューを見る限りでは、あちこちに謎を仕掛けたような、精巧な作りの映画ではないことは明らかな気がするがなあ。こんな謎なんぞ解けなくても、映画を楽しむには、なんの不都合も無い。

デビッド・リンチ監督には熱狂的ファンも多いし、日本で映画の宣伝をやるのは、あまりにも映画に淫した、「映画オタク」が多いのも事実だが、ここまで「オタ公」の個人的深読みを押し付けられるのも、かなり迷惑だなという気がする。