MADE IN JAPAN! 過去ログ

MIJ Archivesへ戻る。
MADE IN JAPAN MAINに戻る

2001/11/25 巨大プロジェクト「スターウォーズ」の裏側

昨日も終日部屋でグータラ。夕方に買い物に行き、夕食は久しぶりに自炊。コンブで出汁引いてから、大根、人参、シイタケ、ゴボウを大量に入れて豚汁を作成。3日分くらいある。何度か煮返して、根菜類がクタクタになってきたら、ニラやら春菊やらを新たに投入するとまた目先が変わっておいしく食せる。最後のほうは七味やらラー油やら投入して、チゲ風にしても結構。シカゴの冬にはよく作ったなあ。ご飯も、やはり炊きたてが一番だ。

DVDで「スターウォーズ エピソード1」をチェック。製作の裏側を撮ったメイキング・ビデオというのは、どんな映画であっても面白いが、この「ファントム・メナス」も例外ではない。

プロデューサーが、主演俳優からの出演OKの電話に、猫なで声でご機嫌取ってるところや、製作現場で、ルーカス監督の意見を聞く周りのスタッフが大変に緊張しており、ルーカスの意見は、どんな些細なことでもすぐに実行する意気込みでいることなど、些細なディテイルや、人間の力関係を推し量れる部分が興味深い。

ルーカスは、サンフランシスコからちょっと北に行ったところに広大な土地を所有して、自分の帝国にしてるらしいが、それにしても、いいところに住んでますなあ。

映像の面では、コンピュータ技術の凄まじい進歩で、どんな精緻なCGを見ても、もう、極端な驚きはない。ルーカスも、メイキングビデオの中で予言している、「この作品(ファントム・メナス)は、タイタニックにはならない。第1作の衝撃を超えることは不可能だ」と。

しかし、全編に渡って登場する道化役の異星人、ジャージャーの動きが、黒人俳優の動きをコンピュータに取りこんで製作されている点は、なるほどと思った。

ジャージャーは、着グルミ使った実写よりも、全身をCGで作ったほうが安上がりということになったキャラクターである。しかし、CGの動きは、実物俳優のいろいろなモーションをセンサーによりコンピュータに取りこみ、それを解析、再合成して作成している。これがよくできていて、歩き方や、手足の動かしかたが、なかなか細かくファンキーなのである。あれは、やっぱり黒人にしかできない動きだ。

ま、何の動きでもCGで作れるが、やはりオリジナルの微妙な動きがあると、迫力が違う。

ビージーズ(もう死語だな、このグループ名は。ははは)は、自分達の曲を録音する前に、黒人ミュージシャンに同じ譜面を演奏させ、それを聞いてマネして練習してから本番に臨んだそうである。まあ、CGですべての動きが模倣できるにしても、まだ、今のところは、生身の肉体が演じる動きのオリジナリティのほうが優ってるということであろうか。

メイキングでもうひとつ感心したのは、「アニマティクス」というテクニック。ストーリーボードの3Gアニメーション版である。手書きのストーリーボードをスキャンして取りこんだり、簡易な3Gアニメーションで場面の動きを作ったり、すでに実写が完成しているところはその実写を組み込んである。

コンピュータによるストーリーボードの編集によって、手書きのスケッチだけでは伝わらない、動きのある場面のイメージを、映画製作に携わるスタッフ全員が監督と共有して、CGやら実写の製作を勧める手助けになる。コンピュータを、一種の映画プロジェクト管理のツールとして使っているわけである。

生産ラインにおけるフォード・システムにしても、ベトナム戦争にも利用されたというオペレーションズ・リサーチにしてもアメリカが本家本元。やはり、こういう巨大プロジェクトの進捗を管理するような工夫には、一日の長があるように思う。