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2001/10/28 「バリー・リンドン」

買ったままずっと放置していた、キューブリックの「バリー・リンドン」のDVDを見る。英国貴族が出てくるような歴史物はあんまり好きではなかったので、今まで未見であったが、実際に見ると、風刺の効いたストーリーは軽快で飽きさせない。

緑したたるアイルランドやイングランドの田園風景の撮影が見事。特に空が美しい。何気ない遠望のショットにも、刻々と姿を変えてゆく、あの英国独特の空が、見事に捕えられている。室内の撮影も深みのある光と影にあふれて素晴らしい。衣装や室内の調度品に至るまで、キューブリックはよほど気をつかったに違いない。この撮影のために、レンズも新開発されたのだという。

しかし、どこまでも深いこういう色調は、やはりヨーロッパ独特のものだ。キューブリックが最後まで、イギリスでの撮影に固執したのも分かる。アメリカで撮影すると、こういう色調は、とても出ないという気がする。もっとも、日本で撮影したら、もっと出ないわけではあるが。ははは。

難を言うと、やはり長すぎることか。「フォレスト・ガンプ」でも、185分も見たら飽きるだろう。ウィットと風刺に富んではいるものの、少々地味な男性の一代記で、この時間を持たすのは至難の技だ。興行的にはあまり成功しなかったのも、やはりそういうところが理由だろうか。撮影は、とても素晴らしいんだけどねえ。

本日も、のんびり過ごす予定。明日の朝は、7時半に部屋を出て、成田空港に直行。昼前には日本脱出である。あっ、そういえば、今日中に荷造りしないといけないのであった。<まだやってなかったのか。