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2001/08/18 「インサイダー」を観て、禁煙の決意新たに

木曜の夜は、DVDで購入したまま放置していた「インサイダー」を観た。映画館で見た時には、ずいぶん暗い画面であると思ったが、DVDで見ても、あんまり印象は変わらない。わざとそう撮っているのではあるが、どうにも画面が陰鬱で暗い。

最近、この日記も、すっかり「禁煙日記」と化しているのだけど、この映画もタバコ関連。

米大手タバコ会社の研究部門副社長であったワイガンド博士が、タバコ会社はニコチンの麻薬性を知りながらそれを隠して販売しているという内部情報を、CBSテレビの人気ドキュメンタリー「60ミニッツ」に暴露し、タバコ産業に大きな衝撃を与えた実話を元にしたドラマ。

以前、この日記にも感想を書いたのだが、ワイガンド証言の衝撃性は、大きくわけて2つある。

ひとつは、ニコチンの中毒性・習慣性についてタバコ会社が内部で研究し、会社の幹部もニコチンの害悪や、麻薬性、習慣性についてよく周知していたという証言。

つまり、この証言によって、政府の公聴会で、「I believe Nicotine is not addictive(ニコチンには<中毒になるような>習慣性は無いものと考えております)」と証言していたタバコ会社CEOの宣誓証言が偽証であることが明らかになったのであった。

第2点は、タバコ会社がアンモニア等を使ってシガレットを処理し、体内に摂取されるニコチン量を操作していたという証言。

『タバコは自然に存在する植物であって、我々はそれを紙巻にしているだけ。毒物を工場で化学的に生産しているわけではない』というのが従来のタバコ大手会社のロジック。

食品添加物や薬品の安全性には大変うるさいアメリカのFDA(食品衛生局)がタバコを野放しにしているのも、そもそも、タバコは、人為的な規制や法律が生まれる前から流通していた自然の植物であるというのが理由のひとつである。

しかし、アンモニア等で化学処理をしてニコチンの量をタバコ会社が人為的にコントロールしているとすると、この『天然の葉っぱを紙巻にしてるだけ』ロジックが崩れてしまうのである。タバコ会社は、タバコをNicotine delivery device (ニコチン注入器)と呼んでいるという証言も興味深い。

しかし、なぜタバコ会社は、ニコチンの量をコントロールしたいのか。

アンモニア等でタバコの葉を処理するとニコチンが人体に吸収されやすくなる。この処理を行うと、喫煙者は、より高い濃度のニコチンを吸収し、高ニコチンへの嗜好と耐性ができることになる。しばらくしたら、タバコのニコチン量を減らす。そうすると、喫煙者は同じ本数では満足できず、より多くの本数を吸うようになり、タバコの売上本数が増える。

タバコ会社が考え出した、ニコチン中毒を拡大し、売上を増大させる悪魔のようなアイデアが、ワイガンド博士の証言で初めて明るみにでたのである。

日本のJTが販売しているタバコに関しても、含まれるニコチンやタールの量は、年々軽くなっている。ニコチンやタールの含有量が増えた銘柄なんて聞いたことがない。

これは喫煙者の健康や嗜好を考えているのではない。喫煙者をいったん中毒にしてしまえば、タバコに含まれるニコチンの量を減らすほど売上は増大する。ニコチン中毒者にもっとたくさんタバコの本数を吸わせ、売上をアップしようという邪悪なタバコ会社の戦略に過ぎないのであった。