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2001/05/31 「デッドゾーン」


昨日の夜は、DVDで「デッドゾーン」を見る。スティーヴン・キングの原作だが、「セイラムズ・ロット」と並んで、一番好きな作品だ。監督は、デヴィッド・クローネンバーグ。

交通事故に遭い、5年間の昏睡状態から奇跡的に意識が戻った男。病院のベッドで意識不明だった空白の5年間に、恋人は他の男の元に去り、足は萎えて不具となってしまった彼には、しかし、人や物に手を触れただけで、それにまつわる過去や未来が分かるという不思議な力が備わっていた。その能力を示すたびに化け物扱いされ、男はますます世間から疎外されてゆくが、ある時、とある上院議員候補と握手する。男のサイコメトリーの力は、その上院議員候補が大統領となり、核ミサイルのボタンを押す運命にあることを予知してしまう。といったストーリー。

この主人公を、クリストファー・ウォーケンが演じている。ウォーケンというと、「オカシナ奴、アブナイ奴、キレタ奴」という評価が定着して、そんな役のオファーしか来ないらしいが、この映画では、特に子供や恋人に対するやさしい眼が印象的だ。映画はなかなか原作に忠実に作ってあって、印象的なエピソードがあれこれと映像化されている。

そういえば、先日、MTVを見てたら、クリストファー・ウォーケンが、ホテルのロビーのような場所を、縦横無尽に空中飛行するというSFX使ったビデオ・クリップが流れてたが、いったい誰のどういう曲だったか。なんかラップ風の曲だったなあ。


6/3(日)

目が覚めたら10時過ぎ。車で銀座まで出て、旭屋に寄るも、めぼしい新刊無し。キングの「デッド・ゾーン」文庫本で購入。もちろん前にも読んでるのだが、アメリカ駐在前に本を処分した時に手放してしまってたのだった。

午後はずっと「デッドゾーン」を通読。数奇な運命に翻弄され、恋人を失い、世間からは化け物扱いされ、しかし、世界を救うために誰にも感謝されずに死んでゆく主人公。昔の恋人にあてた淡々とした遺書が印象深い。「ともあれ、ぼくらはみんな自分にできることをやり、きっとそれでよいのだろう。もし、よくなくても、それはそれでしかたがない」そう、それはそれでしかたない。哀しいことだがそういうもんである。