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2001/03/10「突然炎のごとく」

本日は9時過ぎに起床。風邪のほうも、ちょっとは回復したが、やはり昨日の飲み過ぎが効いたか、相変わらず咳が出る。今日はおとなしくしてよう。

たまった洗濯物を片付けながら、DVDでフランソワ・トリュフォー監督の「突然炎のごとく」を見る。文学で結びついた親友、ジムとジュールの間にあらわれたカトリーヌ。ジュールと結婚しながら、彼女はジムとも他の男とも、気ままに関係を結ぶ。心のままに奔放に生きる「運命の女」と、彼女に傷つきながらも彼女を愛さずにいられない男達。友情と信頼と愛憎が交錯する奇妙な3角関係。こういう映画は、やはり恋愛の達人、ラテン系の監督でないと撮れないという気がする。

「彼女は聡明でも誠実でもない。だが女そのものだ。すべての男が夢見る女だ。」と語られるコケティッシュなヒロインを、ジャンヌ・モローが魅力的に演じている。ただ、残念ながら、映画そのものは1961年の製作とあって、音楽、脚色、演出作法などの全てが、今見ると古色蒼然としているのは否めない。男性の声で語られる説明的なナレーションはずいぶんと生硬で、物語の興を大いに削ぐのだが、これは字幕の翻訳がオソマツな気がする。

しかし、ラストシーンは、なかなか衝撃的で印象に残る。破滅に追い込まれることがわかっていながら愛さずにいられないファム・ファタール。原題は、「ジュールとジム」というのだが、この映画に「突然炎のごとく」と邦題をつけたセンスは秀逸だ。映画の邦題は、昔のほうがずっとよかった気がする。