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2001/02/05 「13デイズ」〜もしもオットセイ森がアメリカ大統領だったら

日曜日は休日出勤。朝から10数名で会議だったのだが、予想外に昼過ぎに終わってしまった。せっかくだから、映画でも見るかと有楽町に出たが、マリオンの映画館は、すべて次の上映時間はまだかなり先。しかし、東銀座シネパトスで[「13デイズ」が15分後に始まることを発見。

ここに行ったのは初めてだが、東銀座のずいぶんと場末にある、なんだか汚い小屋だ。開場10分前に入ったが、結構、混んでいる。前に座ったカップルが、どちらもムヤミに座高が高い。観客席にあんまり傾斜のついていないボロな小屋では、背筋をピンを伸ばしてキチンと座られると迷惑するんだよなあ。

映画のほうは、ケビン・コスナー製作・主演にしては、「ケビン・コスナーの、ケビン・コスナーによる、ケビン・コスナーのための映画」=「ポストマン」よりも、御本尊の露出はちょっと控えめ。その点はある程度好感が持てる。

ただ、第3次世界大戦にも結びつきかねなかった、アメリカの未曾有の危機に対して、ケネディ兄弟がどのように葛藤し、苦渋の政治的決断をしたかの実像については、あんまりよく描かれているとは言えない。ま、これは大統領特別補佐官である主演のコスナーのほうを描くのに脚本が忙しかったせいでもあるが。

政治ドラマとしては、なかなかよくまとまっていると思うが、キューバ危機の交渉過程については、かなり報道されているし本もある。事件の展開についてある程度予備知識があると、新たな事実が判明するわけでもないので、2時間半の長丁場はちょっとダレる。もちろん、「キューバ危機」の実情を知らなかった人にとっては、1960年代に、米ソの間で核戦争寸前にまで至る事件があったというのは新鮮な驚きで、最後まで緊張して見ることができたかもしれない。

キャスティングに関しては、コスナー以外は大物がいないので、映画全体がちょっと小粒に見える印象。ただ、国際政治の舞台で生き延びてきたアメリカ国連大使のタヌキオヤジを演じたジイサマはなかなか印象的。ロバート・ケネディ役もそれなりに存在感あるし、本物の雰囲気によく似てもいるが、映画では、コスナーの影に隠れて、あんまり活躍しないんだなあ。

それにしても、このキューバ危機当時、ジョン・F・ケネディ大統領は45歳、弟ロバート・ケネディ司法長官が36歳、そして、コスナー演じた大統領特別補佐官ケネス・オドネルが38歳。超大国アメリカは、こんな若い政治家達によって動かされていた訳である

ひるがえって、現在の日本の国を動かしている政治家はどうかというと、オットセイ森=63歳、宮沢財務大臣=81歳、野中広務元幹事長=75歳、青木幹雄参院幹事長=66歳。自民党ではまだ若手の部類の加藤紘一元外相ですら、すでにして61歳である。なんかこう、彼我の格差に驚くばかり。

日本の政界で権力の階段を登ってゆくには、いかに人生の時間を空費するか如実に分かる。もしもオットセイ森が当時のアメリカ大統領なら、アメリカ国内に2、3発は核爆弾が落ちてたろう。日本の総理でよかった。ははは。

まあ、日本の政治の最高権力者に老人が多いのは、金のかかる選挙制度と派閥の問題が根底にあるが、「小選挙区にして公費で政党を助成したら問題は解決する」と小沢イチローは言ってたはずではなかったか。相変わらずちっとも変わってないのが不可思議。こんなことなら政党助成金も廃止してもらいたいもんである。