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2000/09/30 「コンタクト」〜驚くべきCGの世界 

最近、旧作のDVDが格段に安くなっている。昨日の夜は、先週1980円で購入した「コンタクト 特別版」をちょっと見た。映画そのものの感想は、98年10月の日記に書いた時と変わらないけど、特典映像でついている特殊撮影の裏側がたいへん面白い。

映画序盤に父親が心筋梗塞で倒れ、少女時代の主人公が2階の洗面所に薬を取りに走る回想シーンがある。キャメラは遠景からこちらに向かってくる少女を映し、彼女がメディシン・ボックスの扉を開けるまでを切れ目無く捉えるのだが、扉に手をかけたとたんに、視点がまったく逆転し、それまでのショットが実は鏡に映っていたことが分かる。目眩がするような不思議で凝ったキャメラワーク。

最初に見た時から、どうやって撮影したのか不思議に思ってたが、DVDの特典映像で種アカシがあって疑問氷解。鏡の部分にCGで別に撮った映像を貼り付けて、合成しているのであった。そうだろうなあ、現実にはああいう風なショットは撮れない。

クリントン大統領の実写の背広やネクタイだけを替えて、別に撮影した俳優陣と合成したり、ベルリンオリンピックの開会を宣言する、実際にはマイクに隠れているヒトラーの顔を、マイクの高さを下げてはっきり見えるように改竄したり、3D−CGを使うと、映像でできないことは何もないかのようである。

まあ、しかし、こういう技術が悪用されると、身の覚えのない収賄シーンや浮気現場のツーショットなんかを合成されて、脅かされる事件なんかが発生するのではないかと、ちょっと心配になるくらいだ。フィルムに映っているからまぎれもない真実というのは、すでにして過去の話となりつつある。