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2000/04/25 「グリーン マイル」を見た 

夕方から銀座に出て、「グリーンマイル」を見る。

先月も書いたが、スティーヴン・キングの原作は未読。しかし、なかなかよくできた映画で、トム・ハンクス始め、俳優陣の演技も冴えている。あのデカイ黒人は、先日プロモーションで来日してたけど、俳優になる前はシカゴのガス会社で穴堀りをやってたらしい。なかなかのハマリ役である。トム・ハンクスの相棒役は、「コンタクト」でジョディ・フォスターの父親役やってたよなあ、確か。

映画館はずいぶんと混んでいる。確かに一見の価値はある映画なのだが、個人的に感じる問題は上映時間だ。「グリーン マイルの上映時間は3時間だが、飽きさせず、まったく長さを感じさせない」なんて感想をネットで読んことがあるが、個人的感想としては、この映画で3時間は、十分長さを感じた。

スティーヴン・キングという作家そのものが、細かい描写や本筋とはあんまり関係ない物語を丹念に書き込むのが好きだから、小説そのものがハンパでなく長い。面白くなる前に読むのを諦めて脱落する読者が結構いるのではないかと心配になるくらいだ。

ひょっとして、そういうキングの小説作法を、映画でも感じさせようという意図があるのかもしれないが、映画で3時間は、やはり長すぎるような気がする。もちろん、ワーテルローの戦いを描くとか、タイタニック号が沈むだとかの込み入った話なら、3時間くらいは必要だろう。しかし、「グリーン マイル」は、登場人物も登場する場面も限られてるし、第一、キングの長編小説にしては短い部類の原作なんだがなあ。

小説でなら何十行もかかった描写を、映画なら一瞬の映像で現すことができる。そういうメディアの特質を、あんまり有効に使わずに、小説に出てきた伏線やエピソードをあれやこれや、できるだけ盛り込もうとしたら、結局3時間になってしまったという印象。

映画の最初に延々と続く老人ホームの場面。食事の後いつもパンを持って散歩に出る習慣や、昔の映画をTVで見て嗚咽する場面は、主人公の年齢と共に、最後の部分の伏線になっているのだが、導入から3時間経たないと最初の老人ホームの場面に戻ってこないのだから、やはり進行が遅いような気がしてしかたない。物語を語るのに、どうしても3時間必要だったという気がしないのがちょっとなあ。もっとも印象的な結末ではあった。