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2000/02/03 「スネーク・アイズ」 納得行かないラスト・ミステリー

今更ながらであるが、先週末にDVDプレイヤーを買ったのである。空気清浄器のフィルターを買いに行った時に、つい衝動買い。ま、フィルターのついでに買うものでもないような気もするが。

で、店で色々機種を見ると、3万円代から20万円超えるのまで、ずいぶんと値段が違う。違うのだが、店員に性能の違いを聞いても、「高いのは特殊な回路があってちょっと映像が奇麗だ」という以上の説明は無いわけである。20万もするのはいったいどんな人が買うのか尋ねると、「それはまあ、あの、マニアの方が」という回答。なるほど。ま、しかし、別に私は「マニアの方」ではないので4万円弱のを購入。

昨夜セットアップして試してみると、さすがに画像は綺麗だ。ディスクにもよるが、日本語の字幕の代わりに英語の字幕も表示できる。英語のリスニングの練習にはなかなか結構な機能だ。日本語吹き替えと英語原音も自由に選択できるってのも、なかなか凄いもんだよなあ。

で、昨日は、劇場公開時に見逃した、ブライアン・デ・パルマ監督の「スネーク・アイズ」を見た。デ・パルマも昔は「ヒッチコックの亜流」と揶揄されていたわけだが、相変わらず華麗なキャメラワーク。冒頭13分間、まったく切れ目無しのワンショット撮影は、実に撮影が大変だったろう。

画面を2つに分割して、別の場所の出来事を同時進行で見せたり、ボクサー控え室、タイラーの視点から見ていたカメラがスッと引いて鏡に映った本人を映し出したり、目の悪い女の視点でボヤけたピントで見せたりと、いつもながら凝った映像である。カジノやホテルに張り巡らしたTVモニターのめまぐるしい映像の洪水、ホテルの部屋を天井裏から舐めてゆくクレーンショット。映像の職人、デ・パルマのギミック満載の映画。

「スネーク・アイズ」というのは、いわゆるサイコロ賭博で転がしたダイスで1のゾロ目が出ることで、並んだところがヘビの目に似ているからそういうんだろう。この場合は親の総取り、この目を出したものの敗北ということなんだそうだ。これは、日本伝統のサイコロ賭博、チンチロリンでも確か同じルールだったような。そういえば、先週行ったポンペイ展でも1900年前のサイコロが展示してあったし、サイコロ賭博ってのも、ワールドスタンダード、万国共通だなあ。

ニコラス・ケイジについては、どういうわけか今まで見た映画では感心しなかったが、この映画の彼は、なかなかよかった。能天気な遊び人で、良心の麻痺した汚職刑事だが、唯一絶対の信頼を置いていた親友に裏切られるという、なかなか複雑な役を好演している。

ただ、パッケージには、「エンド・クレジットが流れてからも”ラスト・ミステリー”が仕掛けられている。」とあるのだが、これにはあんまり釈然としなかった。確かに最後に改装されるホテルのコンクリート支柱に赤い指輪が埋めこまれているのが見える。

で、恥ずかしながら何のことやら分からなかったので、早速、最初からあちこちスキップしてもう一度画像をチェック。こういう時にはDVDは大変に便利だ。で、発見したのは、ボクシング会場に現れる赤毛の女の指輪がそうではないかということ。しかし、この女はニコラス・ケイジの親友である主犯の軍人の手下で、映画の最初の頃に用済みとなって殺されている。

で、そういう死体が工事現場の柱に埋めこまれていたって別に不思議ではないわけで、これがラスト・ミステリーというほどのことなのかいなという感じ。「謎に挑戦していただきたい!」なんて大げさなことが書いてあるが、「謎」ってほどでもないだろなあ。どうも納得が行かない気分。