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2004/03/27 江角マキコ謝罪会見 / 最後のニュース・ステーション

国民年金不払いで騒がれている江角マキコの謝罪会見。税理士が所得税申告の時に年金保険料を控除していたので加入していたものと勘違いしたと苦しい説明。今度はそうすると脱税と所得税追徴という問題になってくるのではないか。あちらを立てればこちらが立たず。

まあ、しかし、社会保険庁から国民年金のCMに出てくれと言われて、「私は加入してませんから出演できません」とは言えないとは思うのだが。税務署から確定申告キャンペーンに出てくれと言われて、「実は脱税してますので」と断ることができないのと同じだ。やはり基本的には、社会保険庁自らが調べておくのが常識という気がする。

しかし、あの「年金もらえないなんて誰が言ったの!」と問い詰めるTVCMにも腹が立った。国民年金対象者の4割がすでに払っていない。現在の受給者に支払われている年金は、過去の受給者からの掛け金の運用益でまかなわれている訳ではない。現在の加入者の年金掛け金を食いつぶしている。年代が下がるにつれどんどん下がる受給予想金額。

普通に考えれば、加入している正直者がバカを見るのは常識である。我々サラリーマンは給与天引きだから黙って払っているだけ。その場だけを糊塗したらそれで済むと思ってるお役人が考えた、とんでもないCMであった。これでまた不払率が上がるのでは。相次ぐ厚生年金代行返上によっていったん企業が引き受けていた運用リスクと将来支給義務が続々と国に返還されているわけだが、本当に破綻せずに制度を維持できるのか。年金数理計算の闇の中にはすでに官僚だけが知っている明かな破綻の徴候が隠されていると思うのだが。

昨日の夜TVを見てると、「ニュースステーション」が最終回だったのだそうだ。20年前の久米宏、10年前の久米宏の映像に、現在の久米宏が交錯する特殊撮影はなかなか面白かった。CGを使ってるのだが、ちょうど「フォレスト・ガンプ」を思い出したな。

歴代のアシスタントの懐かし映像も挿入されていたのだが、久米宏になぜか嫌われて虐待されていた若林さんの映像が出てこなかったのは残念。元東京銀行員からTVキャスターに転進した珍しい人だったが。

個人的には久米宏は好きではない。基本的に「エエかっこしい」。不勉強で、社会的事象について自分の定見はない。しかし、アンカーマンのようなカッコだけはしたい。事前に読んだスタッフが調べた事実を、あたかも最初から自分が知ってた常識のようにしゃべるのが上手かった。そこが浅い。基本的にニュースよりも「芸能」のほうに向いた人であった。

しかし長年やるとストレスもあっただろう。最後の本番中にビールを飲み干して最後の挨拶をする姿には、やはり長年に蓄積した疲れのようなものが感じられて、大変な仕事ではあると同情。それでも、スポンサーへの配慮か、ちゃんとビールのラベルが写らないような角度に隠していたのが、いかにもTV的で面白かったなあ。