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2003/11/26 「この告発の真実の目的は金だ!」マイク・ゲラゴス弁護士活動開始。

Yahooのニュースを見ていると、マイケル・ジャクソンの弁護士、辣腕マイク・ゲラゴスはさっそく活動開始。まずはプライベート・ジェットで盗撮されたビデオの処分差し止め要求。しかしまあ、ジェットの運行会社もひどいよな。あとは記者会見を開いて、「この告発の真実の目的は金だ!」と主張。こういう事件の弁護では、まず原告のcredibility(信頼性)を失わせるのが基本であって、その通りの戦略。

話題の事件であり、各メディアも被害者とされる少年とその家族についてすでに調査を始めており、いくつか興味深い点が指摘されている。

被害者家族は、子供がJ.C.ペニー(百貨店)で服を万引した時、駐車場で警備員に殴られたと逆に店を訴え、J.C.ペニーは和解のために2001年の11月にこの家族に137,500ドルを払ったと裁判記録にある。母親は警備員にセクハラを受けたとも主張していた。

被害者の両親は現在離婚訴訟の最中。父親は、母親と子供に対する虐待でも母親から告訴されている。父親側の弁護士は、この一家の母親は、思うがままに子供を操る暴君であり、子供に嘘をつかせている。離婚訴訟での子供の証言もすべて母親が書いたシナリオ通りなのだと語った。

すでにして、事態はかなりキナ臭くなってきたなあ。はは。こういう報道が事実として裁判の場に持ち出されれば、被害者の証言の信頼性はかなり揺らぐだろう。アメリカのスーパーのレジ脇で売ってるいわゆる「アメリカ版東スポ」は、もうこの話題で持ちきりではないだろうか。

日本では、子供が万引きして警備員に殴られたからといって店を訴えたら親が笑いものである。しかし訴訟王国アメリカでは別段不思議なことでもない。弁護士が「それ訴訟しろ、やれ訴訟しろ」としきりに勧めるのである。

アメリカの電話帳でAttorneyやLawyerのページを見ると、「雪で滑った? すぐ私に電話を。」、「職場で怪我をした? すぐ私に電話を」、「あなたは取れるべきお金を無駄にしてませんか」とデカデカ広告してる弁護士が多い。いわゆるアンビュランス・チェイサー。救急車を追い掛け回して怪我人に訴訟を勧める弁護士。

治安の悪いあたりだと、こういうある意味平和な広告だけでなく、刑事犯専門、クリミナル・ディフェンス・ロイヤーの宣伝も多い。「レイプ、麻薬、殺人で逮捕? すぐ私に電話を。」なんてのもある。「ヒスパニックでも会話OK」なんて書いてあるのは西海岸に多かったな。ま、いったいどういう連中がクライアントになってるのか、この弁護士事務所には近寄らないほうがよいなという気持ちを起こさせる広告でもあるのだが。

この被害者家族にも、「オレが巨額の和解金をマイケル・ジャクソンから引き出してやる。オレにまかせろ!」とワラワラ弁護士が殺到してるだろうなあ。マイケルを逮捕したカウンティの保安官事務所は情報を発信するWebページの準備もしてるらしい。この事件からはしばらく目が離せないな。はは。