MADE IN JAPAN! 過去ログ

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2001/09/13 義援金

そうそう、こちらの日記に書かれたコメントは、ブッシュがBarksdale Air Force Baseに到着したときのものなんだそうで、メールで発言内容が記載してあるページのurlも教えて頂いて納得。

時系列的には、全米ネットワークでのaddressの前なのだろうか。荒削りで短いコメントながら、オーディオファイルを聞くと(ブッシュは、文字を読むのがちょっと拙くて、原稿やスクリプタを読んでるとすぐ分かるのだが)確かに、punishという言葉を使ってます。なるほど。



全米連続テロについては、日本での報道のほうも、いまだに過熱しているが、Yahooニュース見てると、そろそろ義援金のページが立ち上がってきた。イーバンク銀行義援金のページなんかがそうである。

イーバンク銀行に口座持っていなくても、インターネットバンキングですぐに振込できるので、たいへん便利だ。しかし、「是非、この機会に口座を開設してください」って宣伝してるのだけは、ドサクサに紛れて商魂逞しく、なんかちょっといただけないなあ。

一般に、アメリカ人は、大規模な災害などが報じられると、個人でもよく寄付をする。神戸の大地震の時も、アメリカからの義援金はかなりの金額に上ったはずである。これまた、アメリカ人のエライところだが、タックス・リターンで寄付した金額を所得控除するのが簡単という点で、税制面でもそういう個人のdonationを奨励する社会的なシステムが出来上がっているとも言える。

その点、日本の所得税制では、個人の寄付金の所得税額控除は、すべて不可能というわけではないが、対象が限定されており、手続きも面倒なようだ。年末調整の対象にも確か入ってなかったな。まあ、大蔵省に文句言っても、日本は個人が慈善団体に寄付する行為が欧米ほどポピュラーでないから必要ないのだというかもしれないが。

2001/09/13 宗教国家アメリカの大司祭

昼休みに会社で、こちらの日記を読んで、ちょっと不思議に思った。ブッシュの演説はそれほどちゃんと聞いてなかったが、「法の裁き」の部分は、ちゃんと「justice」とかナントカ言ってた(←ナントカっちゅーのは何なんやって)し、punishなんて言葉は聞かなかった記憶があるから。

アメリカ大統領のTVでの演説は、President's addressと称して、たいてい原稿はWebで読める。で、探したのが これ。この原稿見る限りでは、punishって言葉は使ってない。あるいは、他の会見で使ったのかも。Webのニュースで確認すると、ブッシュ発言の見だしに「punish」と書いてあるニュースはあるようだから。

ま、それはどっちでもよいのだが、「法の裁き」の部分はこうなっている。

I've directed the full resources for our intelligence and law enforcement communities to find those responsible and bring them to justice. We will make no distinction between the terrorists who committed these acts and those who harbor them.

(私は、すべての情報機関と法の執行機関に、全力を尽くして犯人達を発見し、法の裁きにつかせるよう命令した。これらの犯罪を犯したテロリストだろうと、それをかばいだてした者だろうと、まったく区別するつもりはない。)
「法の裁き」の部分は、「bring them to justice」。

"bring justice to them"(彼らに正義をもたらす)ではない。"to do justice for them"(彼らに正しい扱いをする)のでもない。どこかに確固たる「正義」というものがあって、彼ら(テロリスト)を(たとえ引きずってでも)そこに連れてくる、という印象がする強い表現である。

こういう大統領のスピーチ原稿は、専門のスピーチライターが書き下ろすのだが、手垢がついてるとはいえ、さすがに表現は上手いなあ、と思うところが多々ある。

スピーチ最初の部分。

The victims were in airplanes or in their offices: secretaries, businessmen and women, military and federal workers, moms and dads,friends and neighbors.

犠牲となったのは、飛行機やオフィスにいた人達。秘書やビジネスマン(ウーマン)達、あるいは、軍人であり、政府関係者であり、子供の母親であり父親、そして、我々の友人であり、隣人である人達だったのである。
The victimsと一言で片付けられるところを、被害者の様々な立場を言葉を変えて繰り返しながら、恐ろしく多数を巻きこんだ犯罪であることを再認識させる。同時に、犠牲者がTVを見ているアメリカ人の、ごく近しいところにいたかもしれない隣人であったと描写することにより、親近感を持たせ、更なる同情心をかきたて、スピーチへの共感を呼ぶレトリックでもある。

そして、"Tonight I ask for your prayers" と、国民に自分と一緒に祈るようにお願いするのだが、これもアメリカ大統領のスピーチとしてはよくある手段である。

湾岸戦争突入の夜、親父のほうのブッシュも、確か同じようなことを言った。「どうか今夜、私と一緒に祈ってください。故郷を離れた遠い中東の砂漠で、自由のために戦うアメリカの息子達のために、そして、息子を戦場に送り出したすべてのアメリカの母親達のために」とかまあ、そういう文案であったな。

後半では、賛美歌を引用するのも常套手段だし、最後の、「God bless America」も大統領が演説を終える時に必ずつける決り文句ではある。

仏教徒もイスラム教徒も、黒人もアジア人もおり、信仰の自由が憲法でも認められているアメリカでも、やはりマジョリティーは白人のキリスト教徒。基本的にアメリカ大統領は、アメリカ政治という地球の運命さえ左右する大舞台で、キリスト教の世界観に基づいて、祝祭をつかさどる大司祭である。

世界一の宗教国家、アメリカの一面が、大統領のスピーチにはかいまみえるのであった。



2001/09/12 空港のセキュリティ・チェック / アメリカ人のエライところ 

昨日の夜は、日記アップしてからずっとCNNとFOX NEWSを交互に見ながら、アメリカ同時多発テロの続報をチェック。

ビルに衝突した旅客機は、パイロットを殺害したハイジャック犯が操縦したという報道もある。航空機を操縦する技量を持ち、しかも自爆して死ぬことも厭わない人物が、犯人の中に複数いたということは、相当大きな規模のテロ組織が背後にいる犯行であることを裏付けている。それにしても、本当に恐ろしく、許しがたい話だ。

本日は、ちょっと寝坊したので、またまたタクシー出勤。車の中のラジオでも、テロ事件の報道一色。しかし、ニュースの解説者が、アメリカの空港のセキュリティ・チェックはいい加減であると言ってたのには、ちょっと異論がある。

確かにアメリカの空港でセキュリティ・チェックをやってる人材には大いに問題がある。能力もやる気も無さそうなマイノリティが実に多い。しかし、マニュアル通りやる事はやっている。私の印象では、むしろ日本より厳しい感じがするくらいのチェックである。

オクラホマ・シティ連邦ビル爆破や、ユナボマー事件などもあって、アメリカの空港でも、ひところは搭乗時に写真入りIDでの本人確認を義務付けていた。ボストンの空港は、出張で何度も出入りしたが、西海岸、サンノゼ空港ならまず鳴らないようなものでも、アラームが敏感でよく鳴ったし、カバンにPCや携帯電話を見つけると、スイッチを入れて動くことを確認するところまでやらされたのだけどなあ。

ま、もっとも、プラスティックのナイフなど、セキュリティ・チェックをまぬがれる方法は、いくらでもある訳で、悪意のテロ集団を完全にチェックできるかと言えば、それは疑問ではあるのだが。

そういえば、昨日の報道では、救出活動の手伝いをしたいと、900人余りの民間人ボランティアがWTC近くに集まったと報道されていた。危険であるとの理由で現場への立ち入りは拒まれたそうだが、東京で同じことが起こったら、すぐさまこんな人数が集まるだろうか。こういうところがアメリカ人のエライところである。

アメリカ人の中でも、サイテーな人間は、日本人よりずっとサイテーだが、エライ奴は日本人が及びもつかないほどエライ。均質で小さくまとまった「標準偏差の小さい」日本人に比べて、アメリカ人は、人材の幅が広いというか、人種、宗教、正邪、善悪、すべての面において、玉石混交の度合いがたいへん激しく、「標準偏差が大きい」。しかし、これがアメリカという国のダイナミズムを支えているという気もするのだよなあ。



2001/09/11 テロなのか? 

日記アップしてからCNN見てたら、NYワールドトレードセンターに飛行機が激突したとのニュースが流れる。それにしても凄まじい映像だ。しかも、一機が80階辺り(?)に激突して燃えているビルに、更にもう一機、かなり大きめの旅客機が突っ込んで激突している。

CNNでは、ボストン発アメリカン航空のB767だと言ってたが、FOXニュースに切りかえると、B737だと言っている。情報は交錯している。アメリカン航空は、あんまりボーイングの飛行機は使ってないと思ったが。なんて思ってるうちに、緊急記者会見した、大統領ブッシュはテロだと断言。いやはや、テロだとしたら、とんでもないことだ。

と書いてたら、他にもあちこちでテロらしき爆発が。ホワイトハウス近辺でも。