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2000/11/19 「加藤紘一の決断」

日曜、夜7時からの「ザ・スクープ」で、「加藤紘一の決断」なるものを見た。加藤元自民党幹事長が生出演してインタビューに答えている。アメリカ大統領選を、他人の家の火事とばかり見物しているうちに、日本のほうも大騒ぎ。

森首相の支持率急低下、加藤紘一の突然の森退陣要求と来て、いよいよ明日にも野党から内閣不信任決議が出されるとの観測だが、いつの間にそんな話がトントン拍子に進んでたんだっけ。

もしも、加藤派と山崎派の大部分が内閣不信任決議案に賛成すれば、議案は可決される。今日の夜から明日にかけて、永田町あたりは、ポストの空手形と懐柔と恫喝と。主流派も反主流も入り混じった水面下の多数派工作で、百鬼夜行の大綱引き合戦が行われているに違いない。

ギリギリの票読みなので、病気で入院してる議員もタンカで本会議場に運んでしまおうなんて言ってる自民党議員もいるらしい。こういうのはだいたい「亀」のつく人の発想じゃないかね。無理させて死んだらどうするんだって。ま、投票後に死んだことにするのだろうなあ。<オイ。

加藤紘一オフィシャルサイトなるものもあって、なんとザ・スクープ出演のすぐ後にも、本人のメッセージが更新されている。加藤紘一自身のデスクには、ノートPCがあって、届いたメールも自分で読んでるらしい。

3時間インストラクターから講習受けて、ようやく1本指で「もりよしろう」と打てるようになったが、漢字変換や電源切ることはサッパリできないどこかの首相とはエライ違いだな。

Webページに載っている政治的アピールについても、自分で手を入れているらしく、確かに筋が通っている。しかし、理屈や理想なんぞ関係無しに血みどろの権力闘争でのし上がった党人派の政治家に比べると、所詮官僚上がりの評論家といったひ弱さが見えるのも事実。

夕方の番組でも、政治評論家にあれこれと問い詰められていたが、最後の点でイマイチ煮え切らない、言質を取られるのを嫌い、言葉をアイマイにする。頭脳明晰ではあるがはっきりと官僚臭さが残っている。森首相がもうダメなのは自明だが、加藤が急に「オレがやる」と出てきても、すぐにハイそうですかと乗る気になれないのは、そこなんだなあ。

もっとも、主流派にしても、担ぐミコシが「オットセイ森」というスッカラカンのアホウであるから、はっきり言って真面目な奴ほどサポートに力が入らないのが道理。ボロなミコシでも、落とすと大変なことになるのは、幹事長を降りたら派閥では冷や飯食わされる野中と、影響力を維持しようと政権中枢にしがみつく「雄弁会以来根っからのコソコソ好き」青木参院幹事長の2人だけである。

内閣不信任案が可決になれば、総選挙をやっても自民党は大敗するかもしれない。そういう面では、森首相はいさぎよく退陣したほうがいいんではないか。大変な失言はあったが、確かに大きな失政があったわけではない。何もせずに毎晩、料亭やレストラン巡りばかりやってたのだから、逆に失政があるほうが不思議。オットセイ森の一番の失政は、「何もやらなかったこと」である。

ま、結局のところ、最初から器ではなかった。そんなことは最初から自分でも分かっていたはずなのだが。小渕元首相が倒れて、自らの権力を維持しようとあせった野中や青木が、密室でコソコソ勝手に決めた総理である。どうせタナボタで得た座なら、いさぎよく去るべきだ。恫喝の野中とコソコソの青木もついでに去ってよろしい。それくらいの改革をしないと、日本はいつまでたっても、竹下の時代から、コレッポッチも変わらないことになるだろう。