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2000/11/10 フロリダは大騒ぎ 幻のキャスティング・ボート

昨日の夜は、アメリカ大統領選フロリダ再集計の大混乱をFOX NEWSで継続ウォッチ。FOXでは、「Presidencial Election Deadlock」と称して、特集番組が続いている。

不在者投票が順次カウントされてるとはいえ、投票日よりもかなり票数が変わっているのが、いかにもアメリカならではという印象。

優秀は奴は素晴らしく優秀だが、トンデモナイ奴は日本よりずっとトンデモナイのがアメリカ人である。どういう人が開票に携わっているのかは知らないが、精鋭ばかり集めてるわけでもなかろう。

「この投票箱の分を数えろとは言われてない」、「この箱の分は私の担当じゃない」、「機械でどこまで読み込んだかチェックするのは私の仕事じゃない」、「知らない」、「これは私の責任じゃない」などなど、アメリカでは聞きなれた言い訳が、フロリダのあちこちで連発されてるのが目に浮かぶようである。ははは。

機械を使ってるとはいえ、手作業を含めた開票作業の全プロセスを、スーパバイザーがシステマティックに監視するようになっていないと、きっと大混乱だろうなあ。大差がついた選挙なら、別に少々のミスはどうでもよかったのだが。

もっとも、差は縮まったとはいえ、再集計でもブッシュはリードしているし、これから到着する海外からの不在者投票の数千票は主に軍隊からで、伝統的に共和党支持が多い。このまま行けば結果は多分動かないだろう。

万一、逆転がありうるとしたら、昨日も書いたPalm Beach Countyの投票用紙がまぎらわしかった件だろうか。3千数百票取ったブキャナン自身が、「あれは私の票ではない」と言っているし、すでに住民から訴訟が提起されている。報道された投票用紙を見ると、「普通に読めば分かるが、ソコツ者なら間違うこともある」レベルか。もっとも、アメリカにもソコツ者が結構いるからなあ。

2つ穴を開けてしまって無効になった票も19,000票以上あるらしい。ブッシュに投票するのなら、一番上に穴を開けるだけで、2つ目の穴を空ける理由がないから、無効になった大部分はゴアの票だという気もする。

もしもそうなら、この無効票は、大統領選挙を左右した、まさに「幻のキャスティング・ボート」だったと言うことになろうか。もっともこの投票用紙のデザインは、Countyの民主党の責任者が決めて共和党の承認を得たらしいから、あんまり後で文句言えた義理ではない。

裁判やっても、すでに終わった投票を覆すのは、かなり無理があるだろうなあ。騒ぎ屋・ジェシー・ジャクソンはすでに騒いでいるらしいが、もしも、無理を承知で裁判でゴネ倒すのだったら、ゴアも、OJシンプソンを無罪にした弁護士、ジョニー・コクランなんかを雇ってはどうか。ゴネ倒しまっせ、この人は。

↓このオッチャンが、Johnnie Cochran。懐かしいなあ


2000/11/09 CNNでアメリカ大統領選挙を見る

昨日は朝9時に引っ越し屋が下見に来るので、午前中は半日年休を取得。時間通りにかなり年配の日通の営業マンが来訪。大したものもないが、部屋を見て、見積シートにあれこれと記入してゆく。

アメリカから帰国した時に持って帰ったのは、着替えと本とPCだけだったのに、なんだかんだと物が増えたもんだ。

記入した後、電卓片手にあれこれと計算して時間がかかったが、ようやく見積もり額が出てきた。説明を聞いてとりあえずそれで頼むことにする。とはいえ、引っ越しは来年の年明けだから、まだ先の話。

その後はSkyPerfecTVでCNNをつけっぱなしにしてアメリカ大統領選挙の得票状況をチェック。いつも見るのはFOX NEWSだが、こういう時の速報性では、やはりCNNのほうが優れている。

大都市圏を持つ選挙人の多い州はゴア、選挙人の少ない田舎の州はブッシュが強い。選挙人の数は有権者に比例して割り当てられてるのだが、勝敗の判明した地図の色分けを見ていると、面積では圧倒的にブッシュが優勢だが、選挙人獲得数ではゴアが激しく追い上げシーソーゲーム。アメリカってのは人口密度の低い州がやたら多いなあ、と改めて感心する。

CNNの放送は、同時通訳が入るのだが、長時間しゃべり続けているせいか、ロレツが回らなくなってきているようで、翻訳のほうもヨレヨレで何言ってるのかよく分からない。英語の副音声に切り替えて選挙ウォッチ。

CNNのWebも同時にチェックしていたが、TVのほうで、ゴアがフロリダで勝利したとのフラッシュが流れる。これはブッシュには衝撃だ。この段階で、選挙人獲得数でもゴアが大きくリード。

しかし、Webでフロリダの開票状況を見ると、まだブッシュの得票が上回っている。どうも変だ。しばらくしたらゴアの選挙人獲得数がまたガクンと落ちてブッシュが逆転。アレレと思ったら、フロリダの選挙結果が「ゴア勝利」から「too close to call」に変更されている。

ゴアのフロリダでの勝利の要因を語っているうちに結果がコロっと変わるのだから、CNNに出ているコメンテーターも大変だ。

昼前まで見ていたが、まだ最終結果は判明しない。未練を残しながら出社。仕事の合間にネットでをチェックしていたが、その後のドタバタはご存知の通り。

フロリダが一転してブッシュの手に落ち、選挙人獲得数が271名となったところで、メディアはブッシュ当選をアナウンス。しかし、その後、またまたフロリダがrecountとなり、当選が確定しない混沌状態に。CNNのWeb速報ページも更新がストップしてしまった。

フロリダには、得票差が5%だったらrecountする州法があるらしいが、アメリカ人ってのはプラグマティックだから、最初から大差がついてたり、勝敗が明らかで、真剣に数えても意味ない場合は、あんまりちゃんとやってないような気もするな。

開票の状況によっては、全部の開票が終わらない段階で勝敗が明らかになる場合もあるわけで、そういう時は、残った州は適当なところで打ちきってるのではないだろうか。ははは。<そんな訳ないやろって。

まあ、今回は歴史に残る大激戦だったから、一応ちゃんとやってたとは思うが、不在者投票をまだカウントしてないというのも、実におおらかな話である。

昨日の夜は、社内のプロジェクトグループ発足の飲み会。2次会まで流れて12時前に帰宅。今日の新聞でも、アメリカ大統領選挙開票速報の迷走が、1面に大きく扱われている。日本の総選挙の開票速報でも、時々当確の打ち間違いがあるが、アメリカ大統領選となると話が大きいよなあ。

フロリダのPalm Beach Countyでは、パット・ブキャナンに妙に多く票が入っており、パンチ式の投票用紙の穴の位置が誤解を招きやすいため、ゴアに投票したはずが間違えてブキャナンに行ってしまったのではないかと危惧した人から選挙管理委員会に次々と電話が殺到しているらしい。どちらかの圧勝なら問題も起きないだろうが、これほどの接戦であったなら、これからもどんどん問題が起きるような気もするなあ。