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2000/07/08 ヨソの社長のことはいくらでもボロカスに 

雪印の社長はとうとう辞任ですな。乳業最大手の最高権力者に上り詰めての突然の転落は、本人には相当ショックだろうが、実際のところ同情の余地はない。

企業で起った不祥事やトラブルは、究極的にはすべて会社トップの責任である。メディアの袋叩きにあって気の毒な気もするが、今回の場合は、対応を誤ってトラブルを大きくした原因が、そもそも社長自身を含めた会社幹部のオソマツな対応にあるのだから、やっぱり自業自得である。

この社長は、記者会見で、「経営のスピードアップのために事業本部制を敷いたが、それが判断の遅れをまねいた」と述べたらしいが、この後に及んでも、まだ他に責任を転嫁するネゴトを言ってるようでは、はっきり言って将たる器ではない。ま、潔くすべてを自分の非として認めたほうがよかったと思うがなあ。

情報が上がってこないのは、上がってくる体制を作らなかった自分のミスだし、権限を委譲した部下が素早く判断できなかったのも、そういう奴を引き上げた自分の責任である。

「私が知ってればもっと早く対応できた」、とも語ったそうだが、これも思い上がった実に愚かな発言であって、社長に悪い情報が上がってこない体制を放置していた事実そのものが、すでに社長としての致命的なミスであった。

66歳にして晩節を汚しての引退は断腸の思いだろうが、自らの能力そのものを深く反省して、潔く表舞台から去ってもらわなければならない。

と、まあ、ヨソの社長のことはいくらでもボロカスに言えるわけだが、自分の会社で同じことが起ったらどうだろうか。いくらなんでも、あそこまでひどくはないはずだが、上からやれと命令されたら、あの大阪工場の課長のように、報道陣の撮影をジャマする行為でも、ひょっとするとやらざるを得ないかもしれないなあ。なにせ、クビになっても困るし。ははは。<なんだかずいぶん急速に、尻つぼみな結論に終わったな。


2000/07/05 どんどんボロが出てくる雪印

本日はちょっとゆっくり出社。休み時間にネットでニュースを見ていると、雪印乳業の汚染牛乳問題も、どんどんボロが出てくる。ああいうお粗末な対応と、悪いことを隠そう隠そうとする全社的な体質は、やはりすべて経営トップの責任だという気がするなあ。

危機管理の時にこそ、社長がふだんからどういうふうに会社を統治してるかが問われる。雪印は乳業最大手の優良企業であるが、あの社長は、イエスマンだけをはべらして悦に入り、悪い情報が上がってきたら、部下を怒鳴り散らすようなオッサンだったのではないだろうか。そういう疑念さえわく対応ぶりである。

そういえば、不思議なのは数日前の会見の大阪工場長の発言だ。記者会見で、社長や役員のとりつくろった発言を否定して、会社側に不利な発言ばかりしていたが、普通の組織人としては、メディアの面前でああいう態度を取るとは信じがたい。

あるいは、映画「インサイダー」でタバコ産業を告発した科学者のような、自らの責任を自覚しての正義感ということなんだろうか。

しかし、大阪工場の衛生管理の総責任者は当の自分のはずで、そもそもは自分の監督がオソマツだったのがすべての原因である。ああいう発言は、自分の首を絞めるばかりのはずだ。普通、そんな逆噴射のような愚かなマネをするだろうか。

憶測するに、「対面があるので、対外的には悪いネタは隠して発表する。しかし社内的には君にはちゃんと責任を取ってもらうよ」と更迭を示唆されて、もはやこれまで、会社も道づれにしてやれと、半分キレての所業ではないかと思うのだがどうだろうか。ま、しかし、それにしても、会社全体の対応がオソマツであることに変わりはないのだが。