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2000/02/15 2000円札は何をもたらすか

ちょっと酒が残る頭で出社。しかし、体調のほうはだいぶ戻ってきた。

8時15分から関連会社の経理担当を集めての勉強会。運の悪いことに、私が年度末の税効果会計の処理の説明をしなければいけないので、休むわけにも行かない。午後からは月次決算の常務会資料のチェックと、明日の財務との打ち合わせの準備。なんだか力が入らないなあ。

そうそう、会社で「旬刊 経理情報」という雑誌を見てたら、「2000円札は何をもたらすか」という記事があった。著者は山田太門慶応大学教授。ATMや自動販売機の入れ替え・改造についてはあまり巨額の経済効果は見込めないこと。しかし、小額紙幣が主流の欧米型社会のようなキャッシュレス社会への転換のきっかけになれば、経済全体に意外に大きな波及効果があるのではないか、という話。

欧米で20を単位とする紙幣の流通比率は高く、20ドル札は24%、20フラン札は28%、20ポンド札は26%と、全紙幣の4分の1くらいを占めているのだという。日本の紙幣の発行枚数と金額はというと、これがなかなか興味深いので引用しておこう。

種類枚数金額
一万円札60.2%91.2%
5千円札4.6%3.4%
千円札35.2%5.4%
合計75億8千枚50兆円

お札の中でも1万円札の発行枚数が一番多いというのも、キャッシュレスの進んでない日本の現状をよく表している。しかも、世論調査では、2千円札よりも5万円札、10万円札という更なる高額紙幣の発行を望む人のほうが多いんだそうだ。そんなもんを買い物に使うより、クレジットカード使ったほうがずっといいと思うがなあ。

ただ、政治家へのワイロなんかには10万円札はかさばらなくて便利かもしれない。今の100万円ひと束の大きさで1千万円。「センセイ、ま、ひとつあの件よろしく」なんて言いながらポケットに封筒をソっとすべりこませる。

あるいは誘拐犯が身代金を要求するのも便利になるな。アタッシュケースに10億円近く入ることになるだろう。ま、犯罪を助長するような使用例しか思いつかないのもお粗末だが。はは。

それにしても、世の中には、45億枚、45兆円も1万円札が流通してるわりには、あんまりこっちのフトコロに回ってこないような気がするぞ。いったい45兆円もの一万円札は、どのへんをウロウロしておられるのだろうか。

この記事にも書いてあったが、アメリカではまず20ドル超の高額紙幣を使うことはない。だいたいATMで金を下ろしても、20ドル札しかでてこないのがデフォルトだし。一応50ドルや100ドル札もあるんだが、普通それくらいの支払いだと、パーソナル・チェック切るかクレジットカード使うよなあ。

日本でも高速道路でクレジットカードが使えたり、だんだんとキャッシュレス化が進んでいるが、やはり現金でないとどうしてもいけない場面ってのもあって、それは香典や結婚祝いなどの冠婚葬祭なんだそうだ。そういえば、香典にカードなんて使えないよなあ。初詣のお賽銭は小切手を投げ込む奴もいるらしいけど。

で、日本で2千円札は使い道あるだろうか。やはり記事にあったように、キャッシュレスが進んで、人々が1万円札なんてほとんど目にしないくらいにならないと、きっと必要ないような気がするよなあ。