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1999/07/04 その2 引越しを総括して、アートコーポレーションに意見する

昼飯だけは近くのラーメン屋に出かけたが、朝からずっと部屋にいて、引越し屋からの電話待ち。衛星放送で懐しのシカゴ郊外、コグヒルで行われている、Motorola Western Openゴルフなんぞを見てたわけだが、3時半になっても何の音沙汰もない。しびれを切らして再び営業所に電話。なにやらしばらく女性が問い合わせしている。

で、トラックは近くには来てるので、むこうの作業が終わるのが6時くらいになる、もう少し待ってほしいという回答。しかし、朝の時点でそういう段取りになることが分かってれば、何も朝っぱらからずっと部屋で待ってる必要は無かったわけだよなあ。

だいたい、引越しで使ったダンボールの回収なんて、先方にしてもどうでもいい仕事だろうが、こっちだってそんな事で時間取られるのはマッピラなんである。最初から夕方来ると知らせてくれれば、もうちょっと時間を有効に使えたのに。しかし、この会社は何を聞いてもこういう調子。いいかげんにしてもらいたいもんだ。


待ってる間に、先週、荷物搬入した時に置いていったハガキがあったのを思い出して引っ張り出してきた。「アートコーポレーション社長室CS推進センター」宛で、「サービス向上のためお客様のご意見をお聞かせ下さい」となっている。ロクなサービスもできないわりには、CS推進室だけはあるとは、誠にお笑い千万だが、せっかくなんでキツイ「ご意見」を書くことにした。

ハガキなんであまり量は書けないが、書いた要点は3つ。「営業と事務所の人間は、現場の都合だけを優先して、顧客の都合は何も考えていない」、「現場の作業員には文句ないが、トータルとして最低のサービス」、「もう2度と使わない」 どうだ、恐れ入ったか。がはは。

まあ、営業所の対応を見ていると、おのずから本社にどんな奴がいるかも想像つくわけで、きっと、こういうCS推進室なんてのも名ばかりで、意見書いてもゴミ箱行きで無視されるだけなんだろうなあ。


まあ、しかし、私も、経理だけでなく、業務システムの設計や、ビジネスプロセス・リエンジニアリングを手がけたこともある事務系サラリーマンのプロなのであるからして(←なんかエラそうだな)、ただ文句書いてるだけでなく、アートコーポレーションにちょっと教えてやるつもりで(←さらにエラそう)、何点か、気付いたことを書いておこう。

まず、ダンボール引取りの電話すると、応対に出た窓口の女性は見積書のナンバーをお願いしますという。不特定多数の顧客を扱う社内システムが、見積もり番号をプライマリーキーとして扱っているのは理解できるが、お客にはまったく関係無い話である。

引越しが終わって、次の週か何かにダンボールの引取りを頼むのに、見積書を握り締めて電話する奴がいるだろうか。この社内システムの設計者はそういう想像力を欠いている。あるいはメーカーに全部おまかせだったのか。いずれにせよ、社内システムがこれでは、顧客への対応が悪くなるのも無理はない。CSなんぞという前に、自社の顧客情報システムを再検討すべきだ。


次に、受け付け応対する社員(かバイトか知らないが)だが、すべて女性でそれなりに教育されており、応対も言葉使いも悪くない。問題は、この事務所にいる社員は、実際の引越し作業のスケジュールや当日の予定をまったく知らないか、あるいは、お客が頼んでもそれに関与できる権限がまったく与えられてないように見える点で、これでは応対の女性は、営業と顧客からのクレームの板ばさみになるだけで、気の毒といえば気の毒である。

端的に言うと、仕事の権限と情報の流れが整理されて無いように見える。いや、自社だけの都合では整理されているのだろうが、顧客からの要求にどのように答えるかというCSの観点からはまったく整理されていない。よほど頭の悪い奴が社内のルールや組織を作ったんだろう。


で、最後に営業の話だが、営業と名のつく人間は見積もりの時に来ただけで、あとは電話しても、「営業に出ております」で一度も捕まらない。が、電気工事やアメニティ関係など、顧客との唯一の接点である営業に進捗管理をさせなければ、お客は事務所の女性に問い合わせても何度も同じ話を初めから繰りかえさなくてはならない。

要するに、営業は、見積もりして注文受けたらそれで終わり、あとは事務所の女性陣だけですべてのクレームに対応というのがこの会社のスタイルのようだが、売ったら終わりってのは、どんな業界でも一番レベルの低い営業マンなんである。

発注手配、納期管理、クレーム処理、アフターサービス、すべてができて営業という仕事の完結だ。そういう点では、今回の担当の営業のレベルは非常に低かった。

営業マン個人のレベルが低いのか、会社のそもそもの営業という業務に対する要求仕様が低いのかは分からないが、後者だとしたら、営業マンのスケジュール管理や下請発注管理を、第三者が照査・チェックするシステムが無ければ、個々の営業マンの実力によってあまりにも顧客サービスのレベルが変わってきて、一番に困るのはお客である。CS推進なんぞの旗を振る前に、この点も多いに改善の余地ありだなあ。

ま、要するに、どうしようもないシステムと人材ばかりで会社やってるように見えるのだが、そういう面からいうと、この引越し業界も顧客サービスの面からは、色々と他社と差別化を図れる余地があるような気もする。

もっとも、サービスが気に入ったからといって、毎月引越しする奴がいるわけもなし、顧客サービスに力入れても売上増には直接つながらないのも真実かもしれないな。そうすると、こうして私が色々と改善すべき点をコンコンと説いても、まったくの無駄ということか。う〜む、がっくりだ。←最後の最後に気付いてどうする。