MADE IN JAPAN! 過去ログ

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1998/02/17 我々は、きっと、どこかがおかしくなりかけているに違いない
朝の通勤電車。途中からドヤドヤ乗ってきたコギャルの一団が、これまた傍若無人にデカイ声でしゃべる。

「私、妊娠しちゃったよ」

「あんた2度目じゃん」

「早くしないと体に負担がかかるってさ」

最初に堕胎した時も、母親には打ち明けたそうだが、可哀相に親父はカヤの外で何も知らないらしい。別に聞き耳をたててた訳じゃない。満員電車の中で、あんなあっけらかんと大きな声でしゃべられては、耳を塞いでいても聞こえようってもんだ。こうやっていとも簡単に、この世に生まれ出たかも知れない生命は金属の器具で掻き出されて、下水道の暗渠へと消えてゆく。ま、そのほうが幸せかもな。

車両のちょっと離れたところでは、オッサン二人が、空いた席の占有権をめぐって口汚なく言い争う。代々木上原で乗り換えの為ホームに出ると、もめていたオッサン2人は、つかみ合いをしながら車両から転がり出て来た。オッサン同士でよかった。バタフライナイフでも持ってたら殺し合いになってたろう。人口過密におちいったレミングの群れが、突然海に向かって暴走して大量におぼれ死ぬように、息の詰まるほど密集した、アスファルトとコンクリートの街に住む我々は、きっと、どこかがおかしくなりかけているに違いない。

なんだか今日は朝から暗い気分。仕事のほうは、打ち合わせがなかったので平穏。7時には会社を出る。飲まずにまっすぐ帰宅。