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1997/08/26 女性のヌードCM+外国で問われる戦争

以前、うちの会社のプロジェクトで働いていたフランス人に聞くと、フランスのTVのCMはやたらと女性のヌードが多いのだそうだ。例えばこんなの。CMが始まるなり、社名・商品名無しで、延々と女性のヌードが続く。しばらくしてからナレーションがかぶさる。「なぜ、私達は、女性のヌードを放送しているのでしょうか・・・。それは、こうすると、あなたが一生懸命見るからです。」で、その後に社名が一瞬だけ出る。こういうのもフランスのエスプリと言うのか。

そう言えば、このフランス人にはなかなか人に対するツッコミが厳しかった(笑)。一緒に飯を食っていて、日本の事を色々聞く。で、漢字も仏教もそうだし、建築や美術や工芸にいたるまで、日本の文化は中国の深い影響を受けており、1000年以上にわたって、中国は日本の文化的な先達であり、師匠だったと説明した時。「じゃあ、何故、その師匠を、50年前に侵略した訳?」とやられた(笑)。日本語でも考えた事がない事項を英語で解説するのは本当に難しい。We just made a big big mistake。と言うのが精一杯でした。しかし、本当に、何故あんな無謀な戦争をやったのか、こっちが聞きたいくらいである。<誰にだよ。


第2次大戦から50年以上経ってるし、まあ政治や宗教の事はこっちでは普通の話題ではないけど、それでも時にはそんな話題になる事もあるので心の準備が必要(笑)。妹がオーストラリアのパースに留学してる時。スーパーの列に並んでると、「ジャップは日本に帰れ」とそこにいた老婆に怒鳴られたらしい。「私の夫はジャップとの戦争で死んだ。お前達はオーストラリアを爆撃した事を覚えてるか!]とね。

実際に戦史を見ると、オーストラリアは連合国側で参戦。日本軍はオーストラリアの北海岸の街を爆撃しており、これは連合国のメインランドに対しては唯一の日本による爆撃だとのこと。しかしオーストラリアを日本が爆撃したなんて当の日本人はほとんど知らないのでは。

まあ、「若いあなたに責任があるわけじゃなし、あの人のほうが変なのよ。オーストラリアを嫌いにならないで」ってなぐさめてくれた、やさしいオバチャンもいたらしいですが、やっぱり外国で経験する、こういうむきだしの悪意には対処する術(すべ)がない。ただ呆然とするばかり。アメリカでは幸いにも今までジャップと呼ばれた事はないのだけど。<まあ、影でどう呼ばれてるかは知りませんが。はは。