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1997/08/20 ATMに現金入れる直立猿人

先月の出張清算で会社からもらった小切手を銀行に入金に行く。アメリカ人はどういう訳か、小切手が好きで、公共料金やカードの清算に個人の銀行口座の小切手を切るのは勿論の事、スーパーなんかのレジでも、現金よりも小切手支払いが普通。クリーニング屋でも小切手で支払ってるのがいる。日本人の感覚だと、2000円や3000円なら現金支払いが普通だけど、普通こっちの人は、まず100ドルも現金は持ってないだろう。

スーパーなんかで支払いの時、小切手には日付や支払先名、それに金額を算用数字とアルファベットで記入してサインしなければならないから結構時間を食う。アメリカ人はみんな慣れてるから、日付や店の名前はレジを打ってる間にどんどん先に記入済み。しかし、なかには本当にのろい人も。で、大概、レジの係員はID(大抵の場合運転免許)を見せろといって、そのナンバーを小切手に控えているから更にもう少し時間が必要。現金でやったほうがもっと効率的だと思うんだがなあ。

しかし、小切手を切っていてもスーパーのレジでは時折、現金の受け渡しがある。これは、例えばレジの金額が10ドル50セントなら、20ドル50セントの小切手を切って、おつりを現金でもらう人がいる為。買い物と同時に当座の小額の現金を銀行に行かなくとも手にいれられるので、なかなか効率的なアイデア。

ATMマシーンもあちこちにあるが、1日に引き出せる現金に制限があって、私の銀行だと300ドルだったか。西海岸の時もそうだったから、どこでもそうなのかも知れない。以前カリフォルニアにいた時、300ドルづつ2日続けてATMで引き出したら、銀行から、あなたのATMカードは盗まれてませんか?、なんて手紙が来た。まあ、確かに毎日多額の現金が必要なのは、麻薬の常習者かディーラーくらいのもんか。

日本のATMは、最近とても進んでいて、現金や硬貨まで入金できるらしいが、こっちではそこまで高度なのは見た事が無い。大概は入金専用の封筒に小切手あるいは紙幣を入れて、金額や自分の口座番号を記入してATMの預け入れ口に投入。銀行では翌日その封筒を開封して入金処理するのだが、それが記帳されないとそのお金は使えないから、入金に関してはこっちの機械は、ATMと言うよりは夜間金庫みたいなものか。

うちの上司が1年前にこっちに赴任した時、銀行口座が開設できたので、日本から持ってきた余った現金をATMで入金処理することに。入金専用の封筒に入れるなんて事は知らないので、ATMが、デポジットの封筒を入れて下さいと表示した時に、そのままドル紙幣をスロットに1枚ずつ差し込んでいった(笑)。

本来、封筒を受け付けるだけの機能しか持ってない機械に、じゃんじゃか紙幣をむき出しのまま入れていったので、機械も何が起こったか混乱したか(笑)ストップ。幸い銀行の中にあるATMだったので、(だから使い方が分からなきゃ、窓口に並べばよかったのだが)係員を呼ぶことに。銀行のおばちゃんは鍵を使ってATMを開けると、入金用の封筒が入る内部のカゴにうちの上司の現金が、バラバラと、むきだしのまま何枚も散乱しているのを見て、ありゃまあ、この人何をやったの、と空いた口が塞がらなかった。

まさに現代に現れた直立猿人を見るような目というか。まあ、日本の進んだATMを見てると、ついこっちの機械でもできるような気がするんだけどねえ。