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1997/08/01 リグレー・フィールドに野茂を見に行く

今日も快晴。湿度もあまりなく過ごしやすい天気だ。午前中は日本からの問い合わせメールに回答したりしてつぶれる。そろそろ昼飯にでも行くかと思っていると、電話がなる。とってみると、うちの営業の某氏から。今日の午後、リグレー球場でカブスとドジャーズの試合があり、野茂が投げるので半日年休を取って見に行こうと言う。急な話なので、ちょっとだけ考えたがドジャースは西海岸のディビジョンで、あんまりシカゴに来ないし、シカゴで見れるのは、今シーズンはこれが最後だとのたまう。なるほど。

話のタネに見ておくかと、上司に断って、急遽午後年休を取る事に決定。取引先のエンジニアと、もう一人香港から来た大人(たいじん)、そうそう、この人もいっしょだったんです、とで、本部長の車に乗せてもらって、90号を東に走り、リグレーフィールドに向かう。聞いてみると、別にチケットが準備してある訳ではなく、球場で当日券を買うらしい。

リグレーは、なんでもボストンの球場についで、アメリカで2番めに古い球場らしい。球場そばの臨時の駐車場に車を入れて、ゲートに向かう。平日のお昼とは言え、学校は夏休み中だし、子ども連れでおお賑わい。当日券の売り場に並んで4名分のチケットを購入。すでに21ドルの一番いい席は売り切れで、1名17ドルの席。やっぱりダフ屋から買ったほうがよかったかなあ。

球場に入ってみると、席は3塁側の2階で、かなり高いところからフィールドを見下ろす感じ。歩き回っている売り子からビールとホットドッグを購入。殻つきピーナッツも買ってのんびり飲みながら待っていると、アメリカ国歌の斉唱が始まった。今シーズンのカブスは、ナ・リーグ中西部部門の確かビリを独走しており、あまりファンはいないかと思ったら大間違いで、両翼の不便な席を除けば、9分どおり入っている。

シカゴも全然打棒がふるわないので、まさか野茂もノックアウトされる事はあるまい、と思っていたが、どうも球威が今ひとつなのか、三振は結構取るものの、何発もホームランを食う。カブスの4番、サミー・ソーサは、体こそそんなに大きくないものの、スイングの威力がものすごい。まあ、普通はなかなか当たらない訳ですが、今日は見事にボールを捕らえて、場外まで豪快なアーチをかけ、観客は大喜び。甘いマスクで女性に人気のサンバーグも、普段は全然打たないのに、こう言う時に限って左翼下段にこれまたホームラン。カブズファンは大喜び。野茂を見に来た我々はちょっと複雑な心境(笑)。

どうも今日の野茂は精彩がなく、結局7回までで7点も失う。ところがどっこい、ドジャーズの攻撃のほうが更に勝っており、カブスの投手を次々火だるまにして、7回までに13点を奪う猛攻を見せた。6回のドジャーズの左翼へのホームランは、観客がキャッチした。普通スタンドに入ったボールは記念に持ちかえっていいのだが、敵のホームランボールなんていらないとばかり、外野手に投げかえした為、客席は大ウケ。

結局、勝利投手の権利を持ったまま、野茂は7回2アウト取ったところで降板してしまった。しかしその後は、カブスが1点を入れたのみで、見事、野茂が勝利投手に。まあ本人は決して投球内容には満足してないでしょうが、勝利は勝利。

こうやって、日差しのなかで、陽気なアメリカ人の観客にかこまれて、ビールを飲んで、ホットドッグをぱくつきながら野球を見ていると、つくづくこのゲームはアメリカのものだな、と思う。伊良部はファームに落ちたそうだが、どんどん日本人のプレーヤーに大リーグに挑戦してほしいものだ。今は投手ばかりだが、イチローや松井が大リーグに来たらどうだろう。アメリカの選手は層が厚く、攻守走そろって当たり前だから、ロートルで打つだけの選手では駄目だろうが。

ゲーム終了後、駐車場に戻るが、ここらへんは古い住宅地で、広大な駐車場なんてなく、せまい駐車場にスシ詰めで車を入れている。順々に出てゆくしかないのだが、前の車と後ろの車の主が現れないので、どうにも身動きがとれない。かれこれ15分ばかり待ったところで、ようやく後ろの車の連中が悠々と到着。日本人なら、こういう時は、これは失礼とセカセカ車を動かすと思うが、アメリカ人は大抵、こういう場合でも全然あせらずに悠然としてます。すぐに発車するかと思いきや、トランクをあけてなにやらゴソゴソして、ひと段落してから、のんびりとスタート。こういうところはあんまり好きじゃないなあ(笑)。

だんだんと暮れてゆく90号をのんびりと野球談義をしながらシカゴ北西郊外に戻る。エルムハースト通り沿いの広東ヌードルハウスで夕食。こういう時、香港の大人がいると、適当に広東語で注文してくれるから便利でいい。店のおばちゃんが、あんた日本人なのに、なんでそんなに広東語が上手なのかと彼に聞いてる。はははは。日本人とばかり付き合ってると、だんだん中国人に見えなくなってくるのかね。彼に言わせると、たまに香港に帰ると、両親に、あんたちょっと広東語がヘタになったよ、と言われるらしい。日本なまりになってるんだなあ、きっと。