MADE IN JAPAN! 過去ログ

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1997/06/01 世界最高が大好きなアメリカ人

さて、今朝は少々雲があるもののいい天気。午前中、特に用事もないので近くのゴルフ練習場に向かった。日本のように金網で張り巡らしたせせこましいものではない。ただ、だだっぴろい野原に打ち込んで行くのみ。300ヤード飛ばさなければ正面の森には入らないだろう。スライス、フックも金網なしで、全然大丈夫。アメリカはやはり広い。

ゴルフの練習は、どこか、苦行、あるいは修行、または精神修養とでも呼ぶべき側面を持っている。体のすべての部分の動きを意識してコントロールしなければならない点では、ちょっとヨーガにも似ているかもしれない。

たったひとりで打席に立ち、グリップとスタンスを確認し、目標に対してボールの位置を決め、ボールを正視しながら、スイングの留意点を確認しつつ、ゆっくりとバックスイングに入る。シャフトのしなりを感じながら打つ。ボールはあらぬ方向に飛んでゆく(笑)。<なんでやねん。

その弾道を確認して、何が悪かったのかを、沈思黙考して、必要な修正を加え、また、ゆっくりと、同じ手順でスイングにはいる。今度はダフり(笑)。怒りを押し殺しながら(笑)、何度もスイングを繰り返すうちに、あきらかに、フェイスがしっかりとボールを捕らえた感覚とともに、シャフトのしなりが加わり、ほれぼれする打球音とともに、ボールが青空に突き刺さるような美しい直線を描いて伸びてゆき、やや、ふけあがったかと思うと、軽いドローがかかって、着地し、はるかかなたへと転がってゆく。

何発か同じ打球が出る。おお、開眼した。(<してねえよ)と思うが、しばらくすると、また、さっきの打球が夢のような貧打に戻ってしまう。いやー、実に厳しい修行の道(笑)。本当は、きちんとした尊師について修行するのが一番なのだけど、この道にも色々な流派があって、変な師匠につくとかえって自分のスイングを壊してしまい、深い深い迷いの道に入ってしまうと言う恐ろしい話も聞く。何か宗教と似てるなあ。

さて、午後に読書しながら、TVをつけっ放しにしていると、夕方から、世界最速の男決定競技会という番組を放映している。昨年のオリンピック100mトラック覇者にして、世界記録保持者のドノバン・ベイリーと、同じく史上初のオリンピック、200m・400mの覇者、マイケル・ジョンソン(覚えていますか、オリンピック)が、150mで世界最速の座を競うらしい。

新聞によると、もともと、オリンピック後から、どちらが世界最速の男と称するかでもめていたらしい。しかも、ベイリーはカナダ人で、アメリカ人などに負けるものかと大口を叩いた為ジョンソンが激怒。いわゆる因縁の対決と言う訳。勝者には150万ドルが与えられる、トラック競技では前例のない大きなイベント。

全体にアメリカ人は世界最高と称するのが好き。今やっているNBAの、Championshipは、World Championshipと称している。訳せば、バスケット世界選手権。野球やアメフトも全部、前年度のシリーズ覇者は、World Champion、つまり世界チャンピオンとごく普通に称する。まあ、確かに他の国のチームが戦っても、この3つの競技では、まず勝ち目がないので、「それでいいのだ」、とバカボンのパパにでも言われれば、それは、まあ、そうなんであるが。

で、世界最速の男。マイケル・ジョンソンが70m付近で、急に左足大腿部に異常を感じて、レース棄権。あっけなく世界最速の男の称号は、ドノバン・ベイリーのものに。もともと世界新記録を持っているのだから、まあ、正真正銘の世界最速でしょう。カナダ人は大喜び。アメリカのスポンサーは怒ってるだろうな。ジョンソンはレース前は、負けた際の自分の取り分50万ドルまで、勝者に掛けていいなんて壮語していたのですから、すっかり男を下げてしまいましたとさ。