MADE IN JAPAN! 過去ログ

MIJ Archivesへ戻る。
MADE IN JAPAN MAINに戻る

1997/05/29 アメリカで刑務所には行きたくない

シカゴの空は今にも降り出しそうな曇天模様。ぼそぼそと、東京の本社とのメールのやり取り等をしていたら、先日も書いた上司のカラオケオヤジが、今晩は、銀行との会食で私も出るんだと言う。えっ、そんな事聞いてたっけ。予定表には何も書いてない所を見ると、西海岸に出張中に口頭で聞いて忘れてたらしい。会食に来いと言う事は、私に運転せい、と言う事だからカラオケに流れると今日中には帰れない可能性あり。しょうがないので、会社で日記を書いて行くか(笑)

大きな声では言えないが、<小さな声では聞こえないよ(笑)この上司は、赴任早々に、すでに、1度飲酒運転で捕まっている。で、今度、捕まれば、刑務所行き。1週間から2週間の短期間の拘束だろうけど。しかし、今度捕まったらえらい事だよなあ。東京本社の上役から、XXX君いるかね? なんて電話がかかってきたら、あのー、実は今、本人刑務所におりまして(笑)。電話は恐らくつながらないかと。なんてね。

アメリカでは、このへんの刑罰は、裁判官の裁量権が非常に大きいので、やさしいのに当たると幸運だが、厳しいのに当たると、大変な事になるようだ。まあ、なかには有色人種に偏見を持っている人間だっているだろうし。

州法によっても違うが、何度も飲酒運転をする人間は、アルコール中毒治療プログラムへの参加を義務づけられたり、罰金、矯正労働や、刑務所などの有期刑が科せられる。Full Time Jail(1日中刑務所)の他に、Night Time Jailと言って、夕方になると、刑務所に出勤して、一晩過ごし、また、朝でてくると言う制度もあるらしい。まあ、刑務所に通勤するようなものだ(笑)刑務所じゃ酒飲めないもんね(笑)。仕事のあるひとはNight Time Jailのほうがいいだろうが、それにしてもね。今日はどうしたんだ、帰るのが早いじゃないか? なんて、同僚に聞かれて、いや、ちょっと刑務所に、なんて言えないよなあ。

前にHBOで、アメリカの刑務所の実態なんて番組をやっていたが、毛むくじゃらでいかにも凶悪そうで大柄な黒人がインタビューに答えていた。殺人やら、麻薬やらで、100年以上の懲役をくらっている刑務所のボスらしい。「刑務所の中で何の不自由もない」と彼は言う、酒も麻薬も手にいれようと思えばいれられるさと。<おいおい。女性は手に入りませんよねと、インタビュアーが言うと、女なんていらねえよ、新入りの男に口でやらせるんだ。特にAssを丁寧になめさせると、まったく天国にいるようだぜ、と。

こいつは天国だろうが、やらされるほうは地獄だ(笑)もう2度と刑務所には戻るまいと固い決心をするに違いない(笑)こいつを全米あちこち連れ歩くと、きっと犯罪発生率は激減する。刑務所に行ったら、こんな事をさせられるんだぞ〜っとね。まさか、飲酒運転の人間がこんな凶悪犯と一緒の刑務所って訳じゃないだろうけど。

そう言えば、飲酒運転や、交通違反をすると、書類ですむ軽微な違反以外は、裁判所に行く訳だが、この時に罪を決めるのは裁判官のみだ。どの程度の事件から陪審制度が採用されるのだろう。陪審員になるのは基本的にアメリカ市民の義務で、ランダムに招集の通知がくる。うちのオフィスの社員でも、時折陪審員になって裁判所に通っているようだが、市民の義務であり会社のほうで行ってはいけないと禁止する事はできない。ただし、仕事のある人間は、やはりなんやかやと理由を付けて降りてしまい、結構、生活保護を受けているような低所得者や暇なリタイヤ組がなる事が多いようだ。

日本でも報道されたO.J.シンプソンの裁判の時は、陪審員は何ヶ月もホテルに缶詰にされ、見るテレビ番組も裁判官によって厳しく制限された。事件に関する、余計な情報を与えない為。だいたい深夜のトークショーなんて、実際にやったのはマーカス・アレンだ(笑)、とかOJの息子だ。なんて無責任なジョークを撒き散らしていたから、こんなものを見て予断を形成されてはたまらない。家族への電話も、後ろで警官が聞いていたらしい。軽い気持ちで陪審員を引き受けると、大変な目に会うんだなあ(笑)。

実は、去年、私のところへも、陪審への召喚状ではないが、その前の段階の陪審員登録の書類がクック郡巡回裁判所から送られてきた。回答しない場合は罰則や、裁判所への出廷もありうるなんて恐い事が書いてある。もちろん外国人が、アメリカの裁判で陪審員になんてなれる訳がないのだが、どうも運転免許の登録から機械的に拾い出して、書類を送り付けているらしい。

アメリカは戸籍や住民登録がないから、最初から、アメリカ市民のみを選択するのは難しいのだろう。質問の内容を見ると、英語が理解できますか、とかアメリカ市民ですか、などの質問がある。書類を送り付けといてからこういう事を聞くのが、いかにもアメリカらしい。アメリカ市民ではありません、の所にチェックして、その他、陪審員となれない理由のところに、労働許可を得た外国人である事を記入して送り返した。本当は、面白い事件なら、ちょっと裁判を見てみたかったけれどね(笑)。刑務所はイヤだけど。