MADE IN JAPAN! 過去ログ

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1997/05/20 サンフランシスコ・ダウンタウンへと走る

今日は、とれあえず仕事を終えると、101号線を北上して、サンフランシスコへ。4月にボストンに赴任したばかりの、会社の後輩が、こちらに出張で来ているので、とりあえず車に乗せて、案内がてら、ダウンタウンで食事をする事にした。サンフランシスコ国際空港を過ぎて5分ほど走ると、丘の間から、西日にきれいなスカイラインを見せて、やや、小振りのビル群が見えてくる。小さくまとまっている点では、アメリカの中でも、群を抜いて美しい街並みだ。だけれども、その美しいビルの谷間には、それなりに、暴力や、麻薬や、貧困が詰め込まれている。望むらくは、実現を待っている、いくらかのアメリカン・ドリームも。

ちょっとばかり市内を走って、CaliforniaとPorkの交差点にある、Crustaceanに。ここは、昔は、ゴールデンゲイト・パークの南にあるベトナム料理屋だったが、ダンジネス・クラブ(日本で言う渡りガニに近いだろうか)のローストが、大当たりして、2軒新たに店を拡張した。このロースト・クラブは、ガーリックと胡椒の効いた絶品だ。この一品だけの為にも、ここにやってくる価値は十分ある。JTBとJALのお勧めレストランになっており、日本人と見ると、日本語のメニューを渡すのが、少々興ざめだが。(しかし、どうやって、中国人や、韓国人と見分けているんだろう(笑))

食事を終えて、日も暮れて来たので、後輩を連れて、ゴールデン・ゲイトブリッジに向かう。サンフランのダウンタウンは私の大好きな街だが、個人的な悲しい思い出も一杯だ。サウサリート側に橋を渡りきった展望台に車を止める。さすがに長い西海岸の太陽も、すっかり暮れきって、満天の星空。うすぼんやりと浮かび上がった長い橋の対岸に、光り輝くサンフランシスコの街並みの上には、澄み切った満月が、目の前の静かな海面を照らしている。肌寒くなってきた。

あの時、あなたをここに連れてきた時、月は出ていただろうか。ぎこちない笑いで終わった電話。たった一行だけ書かれた、海を渡ってきたポスト・カード。「アメリカは遠いですね」 と。そう、アメリカは遠いです。眼下のヨットハーバーに打ち寄せる波の音を聞きながら、なんだか自閉に沈んでいました。もう、この場所にくるのは、やめにするかな。