MADE IN JAPAN! 過去ログ

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1997/05/17 ロシアからきたイリナとシリコンバレーでカーペンターズを唄う(笑)

昨日、今日と、こちらは、記録的な暑さとなった。本当は、昨日遅かったせいもあって、ゆっくりしていたかったのだが、こちらの駐在員が、ゴルフの予約を取っているとの事で、しょうがなく出かけた。しかし暑い、汗はどんどん出ているはずだが、乾燥しているせいか、これまたどんどん蒸発して行く。ダイエット・コークと水をガブガブ飲みながら18ラウンドをなんとか消化。ここは、昔、何回もきたけれど、今日はやけに日本人が多いなあ。夜は、ローレンスからダントンを東に2マイルほど行った韓国料理屋で、ゴルフメンバーと会食。ここの石焼きビビンパと豆腐チゲは特に絶品だ。値段はちょっと高いかな。

昨日の夜の話だが、東京から来ている出張者と駐在員数名で、夕食に行った。ロスから来た、兄弟会社の駐在員も合流したりして、結構な人数になった。この出張者は、現在私がマネージしている、あるプロジェクトの進捗状況を視察に来たので、まあ、放ってもおけず(笑)、私が先週からずっと付きっ切りで、アテンドしているのだ。会食の後、私自身はホテルに帰りたかったのだが、カラオケに行くと言って聞かない奴(笑)がいるので、とうとうお付き合いするはめになった。

この店は、スティーブンス・クリーク通り沿いにある結構有名な所だが、私はあまり好きではない。ママは非常なやり手で、繁盛しているようだが、勘定が暴利だ。女性がそばにつく店とは言え、飲んで唄って1人100ドル見当は、日本では許されるかもしれないが、こちらでは、目の玉が飛び出るような金額。昨日の深夜も、知らずに入ってきたアメリカ人のグループが、勘定の段になって、あまりの金額に、訴えるなどと騒いでいる。実にお気の毒。

アメリカには、外国人が知らないで行くと恐い目にあう場所は確かに存在するが、アメリカ人が知らないで入って恐い目にあう、日本人の店っていうのは珍しい(笑)アメリカ人よ、もっと糾弾するべし(笑)応援するぞ!。やり手のママに、ばれなければ(笑)<いやいや、あの、一応向こうは、私の顔も名前も勤務先も知っているもので。

ここの接客担当の女性達は、頻繁に移り変わりがあり、はっきりとはしないが、そんなに日本人の女性が沢山いる訳ではない。数名で行くと、日本人と、外国人がセットになって(笑)派遣されてくる。(ここはアメリカだから、外国人と言うのは、本来は日本人の事だが、紛らわしいので、日本人の視点から話を進めよう。)

大抵、酒がすでに入っているし、たまたま、若い日本人の女性だったりすると、皆、先を争って(笑)その女性のご機嫌をとる(笑)のが通例だ。私は酒は好きだが、店の女性のご機嫌を取りにきている訳ではないし、大抵一緒なのは上役や先輩なので、ばからしいご機嫌とり争い(笑)には加わらないが、そうするとその女性から、あら、この人静かなのねー、などと言われて邪険にされる事になる(笑)。世の中って言うのも理不尽だよなあ(笑)。

しかし、このシチュエーションには、通常もうひとり理不尽な思いをしている人がいる(笑)。そう、セットで派遣された、アメリカ人女性ですね。彼女も仕事だし、ボーっとしていると、やり手の(笑)ママや、マスターに怒られるから、煙草に火を付けたり、水割りを作ったり、灰皿をチェンジしたり、(そうそう、こういう事を、この店はアメリカ人に教え込んでいるんです。)結構かいがいしくやるんですが、日本人の客は、日本人の女性とばかり、がははと談笑しており、大抵、彼女はそこに座っているだけで、1人ぼっちだ。そこで、大抵は、周りを見回して、あまり日本人同士の会話に加わらずに、酒ばかり飲んでいる変な奴(これは私ですね、はは)に英語で話しかけてみる事になる訳です。

なにかこうして書くと、いかにも、はぐれ者同士の会話のような感じで、我ながら気持ちよくないなあ(笑)。

昨夜、私が席につくと横にイリナがやってきた。数ヶ月前にも、ここに来たとき、彼女が隣に座り、彼女はアメリカ人ではなく、ロシアから1年ほど前にアメリカに来た事を聞いたのだが、ほんの数ヶ月の間に、英語が素晴らしく流暢になっている。前回はお互いに、つまらない単語の発音が通じずに、筆談(笑)のお世話になったものだが。(余談だけれど、一般的に言って、女性のほうが、語学の上達は早いような気がする。なぜだろう。日本語の場合でも、東京で、地方のなまりを残して話しているのは、ほとんど男性だ。なにか、音感とか、感受性に関係のある問題かもしれない)

彼女は、黒海近くの出身で或る事、ロシアで英語を専攻していた事、以前にマイアミに住んでいた事や、なにかアメリカに滞在するのに、ちょっと問題があるような事以外は、自分の事はしゃべりたがらないのだが、英語の歌が好きだと言う。どんどん勝手に唄っていいよと言ったのだが、やり手の(しつこいね)ママが、店の女性がひとりで唄う事を禁止しているらしく、一緒に唄えと言ってきかない。カーペンターズなら誰でも知っているだろう、これはどうだ、あれはどうだとしつこいので、結局1曲一緒に唄う。

シリコンバレーの、笑いさんざめく豪華な内装のカラオケバーで、ロシア人と日本人が、カーペンターズを唄う。なにか、ちょっと滑稽で、俺はこんなところでいったい何をしているんだろう。いやはや、遥か遠くまで来てしまったなと、なんだか不思議な感慨に捕らわれた夜。