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1997/05/15 関取の集う、シリコン・バレー部屋

今日もベイ・エリアは快晴。<毎日同じ事ばかり書くな(笑)朝夕に運転するだけだが、もうすでに日焼けしてきた。日差しは強いが、日陰に入ると、スッと汗がひく。湿度が低い為だ。だんだんシカゴに戻るのが、おっくうになってきた。本社こっちに移さないかな(笑)。長くなりすぎた為、昨日までの日記を、別ファイルとした。日記猿人投票の事ばかり書きすぎたかもしれない。

数年前にサンフランシスコ空港で、シカゴ行きの便を待っていた時、たまたま、サンノゼ場所を終えてハワイに向かう大相撲の一向に出くわした。浴衣をきて、髷を結って、のっしのっしと歩く力士達に、周りのアメリカ人も大喜びで、写真を取ったりしている。

東関親方(昔の高見山ですね)は、背広を着て、左手にハンバーガー、右手にコークを持ち、ウォークマンを聞きながら、体をゆすっている。(まるで昔のTVCMに出ていた時そのままで、見てきたような嘘をつくなと言われそうだが、本当なのだ)日本で見ると日本人だが、アメリカで見るとやっぱり、陽気なハワイアンだ。皆それぞれに固まって、しゃべりながらくつろいでいたが、貴の花だけは、奥まった場所にあるバーに、付き人と2人きりで座り、出発までとうとう他の力士集団には合流しなかった。やっぱり皆から嫌われているんだな<コラコラ。

えーっと、実は話したかったのは、大相撲の関取の事ではなく、アメリカの関取(笑)の事だ。その時の空港でも、力士達は飛びぬけて大きい感じは(不思議に)しなかった。だって、周りのアメリカ人を見れば、どっちが力士がわからないほど、太ったのがあちこちにいる(笑)。まあ、アメリカ人に沢山の肥満者がいることは皆さんご承知でしょうが、実は、うちの会社のシリコン・バレー支店には何人も固まって所属しておられる(笑)。口の悪いのはシリコン・バレー部屋(べや)なんて呼ぶ。支店長も、一度、「親方」 なんて呼ばれて、いたく機嫌を害したほどだ。<言ったのは私ですが(笑)

いわゆる関取クラスが、何人くらいいるかと言うと、えーっと(氏名リストを作成している<極秘)、8名ですね。男4名、女4名。断っておきますが、これは、日本で言う、ちょっと太っているという水準は含みませんよ。あくまでも、腕は丸太ん棒のようで、張り手でもくらったら、大変な事になると思われる、「関取」クラスのみの集計です。幕下クラスはさらに数名いる(笑)。事務所全体で、40名程度だから、関取比率(笑)は20%。日本人が8名いるから、アメリカ人のみで計算すると、25%にもなる。これはアメリカ平均と比べてもあまりにも高すぎる。日本からの出張者が驚いて、いったい誰が、こんなに太った人間ばかり雇ったのかと言う話題になると、日本人駐在員同士で、やれ俺じゃない、あいつだ、とか、着任した時にはもういたから、前任のだれそれだとか、責任のなすりつけあい(笑)が始まる。まあ、冷静に考えて見ると、別に太った人間を雇っちゃいけない訳はないんだけれどね。

アメリカでは、雇用の際に、人種、国籍、年齢、出身国、言語、性別、既婚・未婚の別、業務遂行に関係のない身体的障害などを採用可否の理由として考慮する事は、連邦法で厳重に禁止されているが、体重と言う項目はない。してみると、少なくとも「関取クラス」の体重の不自由な(笑)ひとは、その理由で落としてもよさそうなものだが、(しかし、我ながらひどい事を言うね)実際には、あなたはちょっと太りすぎなんで、ちょっと気に入りません、なんて断るのは、子どもじみていて、なかなか難しいものだ。(実は、8名のうちひとりの関取は、私が雇ったんです、すいません<誰にあやまってんだよ!)

新聞などには、太りすぎた秘書が、ボスに嫌われて解雇されたとか、自己管理能力がないとして、昇進を見送られたケースなど、可哀相な事例が、時折掲載されている。純粋なアメリカの会社は、結構シビアにやるのだろうけど、うちは日系企業だから、どうしても、何かあって訴えられると裁判で負ける公算が強いと考えて、何事にも、ついつい及び腰になってしまう。そんな訳で、他より住みごこちがいいから、自然と関取が集まってくるのだろうか?(笑)それにしては、他の事務所には、あまり関取いないなあ(笑)。

まあ、ここの支店の関取衆(笑)は、皆、結構長く勤めており、おっとりとして、ひとに好かれる陽気なタイプが多いから、全然問題はないけれど。採用の時も、そんな訳で決めちゃったんでしょうね。これが気性の荒い奴ばかりだったら、本当の相撲部屋だよ(笑)