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2007/01/08 「エスカレータではどちらに立つか」問題再び

駅などのエスカレータに立つ際、関西では右に立って左を空け、東京では左に立って右側を空ける。日本の中でなぜ違うのかについては、以前の過去日記、「エスカレータのどちらに立つのが国際標準か」であれこれ考察したのだが、せっかくアメリカに来たのに、こちらではどうだか再度検証していなかった。

本日会社にて、日経衛星版の土曜別冊を読んでいたら、「暮らしサプライズ」という記事で、「右か左か片側空けの起源」という特集があった。

これによると、エスカレータ開発の草分け、アメリカのOTISエレベータによれば、右に立って左を空けるのがアメリカ方式。これはおそらくニューヨークの地下鉄で始まった習慣ではとのこと。なぜ左を空けるのかについては、アメリカは車が右側通行で追い越し車線が左であり、その習慣が持ち込まれたものと見る。そもそも車がなぜ右側かについては、馬車の時代にすでにアメリカでは右側通行が普遍的であり、それは御者が右手で鞭を持つため、左側通行だと対面の馬車の鞭と絡んでしまうからだという。(しかし、この説明では、同じく馬車が普遍的だったイギリスで、なんで車が左側通行なのかがよく分からんのであるが)

なぜ大阪がアメリカ方式かについては、やはり以前に推定したように、大阪万博の時にアメリカ式を持ち込んだものとの仮説をこの記事では挙げている。東京は独自に日本の車の左側通行からの連想で右空けになったのではと。

この記事を書いた記者はなかなか仕事熱心で、アメリカの街頭で実際にエスカレータのどちらに人が立つかまで数えている。NYの地下鉄エスカレータでは、左空け282名に対し右空けは34人。やはり右に立って左を空ける人が圧倒的に多い。ただ、シカゴのショッピング・センター・映画館では、左空けが510人、右空けが361名と、あまり極端な差が存在しない。

私個人の観察でも、シカゴ、O'Hare空港のエスカレータでは、まずてんでバラバラに立ち、どちらを空けるかはあんまり決まっていないという印象なのである。もっとも、この空港も、そんなにエスカレータがあちこちにあるわけでなく、第一ターミナルでコンコースCに行く地下道だけでの観察なのだが。やはり、地下鉄があってエスカレータが多い都市と、そうでない都市では、だいぶ「片側空け」の定着率に差があるような気がする。そういえば、Bostonにも地下鉄があったが、こっちはどうだったっけな。今度訪問する機会があれば確認してみなければ。